顧客中心は「古くて新しい」テーマ
「アドテック東京2017」のキーノートで、「カスタマー中心のデータマネジメント」について語っているスピーカーがいました。その人は、アメリカンアパレルの元チーフデジタルオフィサーで、Oro Analyticaを立ち上げたソリン・スティーブンス氏です。彼はプレゼンテーションで、ペンシルバニア大学のウォートン校のピーター・フェイダー教授の書籍『Customer Centricity (2011年出版 邦訳未出版)』を推奨していました。
彼自身が「すぐに読める本」と言っていたように、わずか110ページ。しかも、7年前に大学から出された出版物です。なぜ彼は最新のカンファレンスで、このような書籍を紹介したのでしょうか。
それは、「顧客中心」のビジネスを実現できている企業が未だに少なく、これが「古くて新しい」テーマだからだと思いました。
この本を自分も読んでみて実感したのは、フェイダー教授がただ単純に「顧客中心」という言葉をカスタマーサービスや顧客満足といった観点だけで語っていないということです。
彼は授業で、学生に対して「次にあげる企業の中で、顧客中心の企業はどこか」と尋ねたそうです。
