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宅配ピザで大学生の「食堂難民」を救うアイデア、マスナビ主催の企画コンペでグランプリ

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大学や専門学校に通う学生らが企業のマーケティング課題に挑む企画コンテスト「第2回マスナビチャレンジ」の本大会が、12月16日に東京都内で開かれた。主催は広告・Web・マスコミ業界をめざす学生のための就職支援サービス「マスナビ」を運営するマスメディアン。予選を勝ち抜いた12チーム、41人の学生がそれぞれ10分間のプレゼンテーションを行い、審査を経てその場でグランプリほか各賞が選ばれた。

予選を勝ち抜いた12チームが本大会に参加。前列中央がグランプリに選ばれたチーム「1-10-1」の4人

マスナビチャレンジは、大学低学年時からのマーケティングへの興味喚起を目的としている。今回の課題は、「大学生・専門学生が 『午後の紅茶』を飲みたくなるアイデア」(キリンビバレッジ)、「大学生・専門学生が思わず買ってしまう自販機のイノベーション」(キリンビバレッジバリューベンダー)、「学生が、これなら宅配ピザを頼む! と思える新しいサービス」(ドミノ・ピザ ジャパン)の3つ。審査は各社のマーケティング担当者のほか、広告会社やブランディング支援会社のプランナーなどが務めた。

本大会でのプレゼン審査を経て頂点に立ったのは、中央大学、駒澤大学、関西学院大学、HAL東京の学生からなるチーム「1-10-1」(吉村岳史さん、高橋啓太さん、築家佑介さん、平岩也弥さん)。ドミノ・ピザ ジャパンの課題で受賞した。お昼に学食が混雑していて満足に昼食が取れないという学生のインサイトに着目し、大学宛てにピザの配達を受け付けるアイデア。

グランプリに輝いたチーム「1-10-1」の企画書。課題はドミノ・ピザ ジャパン。

キャンパス内に予約券売機を設置するほか、スマートフォンアプリからでも注文できるというもの。混んでいる学食の利用をあきらめる層を「食堂難民」と位置づけ、その不満を解消するだけでなく、ドミノ・ピザ側もまとめて配達することで配達にかかるコストを減らせることをアピールした。

審査員の小島雄一郎氏(電通)は、「アイデアについての思考量が多いと感じた。総合力が優れていた。学食が混んでいることへの不満という学生のインサイトのほか、配達する側も1カ所にまとめることで効率化できるなど、勝てるポイントをしっかりつくっていた」と評価した。

課題ごとに選ばれる「協賛企業賞」は、キリンビバレッジがチーム「彼女募集中」(河野智己さん、長田直さん、大川将平さん)、キリンビバレッジバリューベンダーがチーム「田中彰夫ゼミ 相澤チーム」(相澤良子さん、田中駿也さん、矢澤亮太さん)、ドミノ・ピザ ジャパンがチーム「週14」(武田陸さん、小林響さん、渡邉裕哉さん)がそれぞれ受賞した。「審査員特別賞」はチーム「墾田永年私財法」(木村仁咲さん、米村詩枝菜さん、稲垣志穂さん、坂本美波さん)が選ばれた。

今大会には189チーム・722人がエントリーした。課題提供企業によるオリエンテーションやマーケティングの基本についてレクチャーするアカデミーの開催を経て、11月上旬に課題を締め切り。1次審査を経て12チームに絞られた。学生らはさらに企画をブラッシュアップさせて本大会に挑んだ。

プレゼンテーションでは、「お金はないがつながりを求めている」「教室ではどうしても眠い」など、学生ならではの視点でターゲットインサイトを分析。自らの仮説をペルソナやカスタマージャーニーマップを用いて解説したり、利用シーンを寸劇風に説明する学生も。一方で、審査員からは「男子学生もインスタ映えを意識するのか」「他社の商品でもできるのではないか」など、プレゼンテーションごとに鋭い質問が飛んだ。

審査員から、企画内容やプレゼンテーション、資料作成などのレベルの高さに驚く声が相次いだ。「受賞したチームだけでなく、この場に立ってプレゼンしたことが素晴らしいと自信を持ってほしい」「この経験は就活にも、また社会に入ってからも必ず役に立つ」「ロジックが成立するかだけでなく、その企画に自分の心が動くかどうか、ワクワクするかをぜひ大切にしてほしい」など、参加者をねぎらった。

「マスナビ」は、マーケティング・クリエイティブに関心をもつ学生が利用する広告・Web・マスコミ専門の就職応援サービス。企業情報の掲載や業界研究セミナーを年間で約300回実施し、業界の就職に役立つ情報やイベントを提供している。