人々の生活や街に溶け込むモビリティをつくる TOYOTA「未来プロジェクト室」の挑戦

「答えのない「問い」は、創造的コミュニケーションを生む触媒【安斎勇樹×前田考歩 後編】」はこちら

2030年、世界で100兆円以上に達すると予測される「MaaS(Mobility as a Service)」市場。車や電車など従来の移動手段に留まらない、新しいモビリティやサービスが続々と生まれ、100年に一度と言われる大変革期を迎えていると言われています。この大変革期において、2019年1月に「モビリティ・カンパニー」宣言をしたトヨタ自動車。同社の直轄組織である未来プロジェクト室で取り組んでいる「OPEN ROAD PROJECT」で生まれた新しいモビリティサービス「Frog」について、プロジェクトリーダーの永田昌里さんと、プロトタイピング支援したフューチャーセッションズの最上元樹さんに、に、『予定通り進まないプロジェクトの進め方』の著者の前田考歩氏がお話を伺いました。

前田:

世の中の新規事業や新しい取組を行っている方々に、そのプロジェクトがどのような目標を掲げ、その目標に向かってどのように進めているかを、「プ譜」というプロジェクトの構造を可視化するフレームワークで書き起こすというインタビュー企画を行っています。Maasや「CASE(Connected、Autonomous、Shared、Electric)」といった概念に代表される大きな変革期にあって、未来プロジェクト室の役割や、ここで行われている「OPEN ROAD PROJECT」について教えていただけますか?

永田:

未来プロジェクト室は、技術オリエンデットというよりも生活者目線での新しいサービスの開発を大事にしています。これまではコンセプト提案を中心に行ってきましたが、それだと「提案して終わり」になってしまいがちでした。絵に描いた餅ではなく、自分たちの手で試して、できるだけクイックに回して、可能性がなければ次のプロジェクトに潔く移行する。その中で、芽があるんじゃないか、となればしっかりとした実証実験を仕掛けていく-、ということを行っています。

クイックに試す、ということは、IT業界などでは普通のことかと思いますが、モビリティのように一つの試作を作るのにお金も時間も非常にかかってしまう中では、クイックに、というのはなかなか難しくて。だからこそ未来プロジェクト室のようなコンパクトな組織で、モビリティの開発に留まらず新しいサービス開発をセットで行っていこうと。

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