消費者の頭の中にブランドを残す ワコールのオウンドメディア活用法

下着業界の老舗であるワコールは、消費者との日常での接点を増やすため2013年4月、「WACOAL BODY BOOK」を立ち上げた。業界の課題感を背景に、運営のポイントについて語った。

※本記事は2020年2月4日に行われた、宣伝会議主催のイベント「コーポレートブランディングカンファレンス~オウンドメディア&SNS運用編~」内での講演をレポートしたものです。

ブランドへの関与度を高める

女性用インナーウェアの製造卸売販売を軸として、70年を超える歴史を持つワコール。「世の女性に美しくなってもらうことによって広く社会に寄与すること」を企業目標に掲げ、1946年の創業から女性の美を追求してきた。

2013年4月には、下着への関心を高めることを目的としたオウンドメディア「WACOAL BODY BOOK」を開設した。編集方針は、「企業目標に基づいて、中立的な視点から情報を発信する」こと。「自社商品のアピールにとどまらない、有益な情報発信を心がけています」と、運用を担当する総合企画室 広報・宣伝部 WEB・CRM企画課の西島いくこ氏は語る。

オウンドメディアを立ち上げたきっかけは、インナーウェア業界における3つの課題からだった。「まず購入する頻度が少ない。次に意識する機会も少ない。そして、私たちが消費者と話をする機会もほぼない。何か接点をつくらなければ、消費者にとって下着もワコールも、関与度の低い存在になってしまう」と西島氏は話す。

販売のオムニチャネル化もあり、消費者が商品のリサーチや購入に費やす時間は短縮傾向にあると分析した結果、「購入時だけでなく、日ごろから消費者に意識してもらえるブランドであるかが重要になってきている」ことも大きな要因としてあった。

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