コロナ禍を逆手にとった「バス巨大迷路」、はとバスのスピーディーな企画・実行力

コロナによって、旅行業界が大きな打撃を受けるなか、はとバスの巨大迷路が大きな話題を呼んだ。バスを使ったツアーができない環境を逆手に取り、新しい体験を生み出した。現在もGo Toを活用し、売上の回復を目指すはとバスの取り組みとは。

※月刊『宣伝会議』1月号(12月1日発売)では「観光誘致キャンペーンで、リピーターを創出する!」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

稼働していないバス60台で制作された迷路。ツアー当日は子どもだけではなく、大人も楽しむ姿が見られたという。

コロナ禍で生まれた「巨大迷路体験」が話題に

車内換気体験では、白い煙を焚き、5分で空気が入れ替わるようすを可視化した。体験した顧客からは、換気性能の高さに対して驚きの声があったという。

はとバスは9月19~22日の4連休中、60台のバスでつくった巨大迷路体験ができるバスツアーを開催した。コロナの影響によって、バスの稼働が少ない状況だったため実現した企画だ。コロナ禍ならではの過去にない取り組みだったこともあり、さまざまなメディアで取り上げられ、話題を呼んだ。

あまりの反響の大きさに当初1日2便で3日間の実施だったところを1日3便の4日間に増便、ほぼ満席となった。ツアーでは「車内換気体験」コーナーが設けられており、車内に焚いた白い煙が5分ほどで換気される様子を、わかりやすく伝えた。

実は本企画は、「もともと顧客にバスの換気性能の高さを認知してもらうことを目的としていた」と、はとバス 経営本部 広報室 伊藤百那氏は話す。

「バスの中は密閉空間というイメージを持たれがちなため、バスの換気性能の認知を広げることが業界全体の課題になっています。バスの換気性能は優れているんですと言うだけでは、一方的なコミュニケーションになってしまうため、楽しんでもらえるような体験を組み合わせようと考えた結果、迷路という発想にいたりました」。緊急事態宣言があった4月、5月は同社のバスツアーは全便運休で、1本も出ていないような状態に。6月中旬から徐々に再開はしたものの、1日1台という状況が続いていたという。

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