*本記事は『別冊 販促コンペ 公式・企画ガイドブック』(宣伝会議)からの転載です。
*本稿は「第13回販促コンペ」の開催に際し、掲載した記事です。
【回答者】
ボランチ
松重宏和(まつしげ・ひろかず)氏
ビジョン共創からCM制作まで、ブランディング&プロモーションを支援。クリエイティブの力で地域やスポーツ、教育における課題解決や価値創造を行うクリエイティブカンパニー、ボランチを創業。ADFEST金賞、Spikes Asia銀賞、Lions Health銅賞など受賞多数。
Q 購入者/消費者の「インサイト」がわかりません。
A インサイトの正体は、理性の裏に隠れた本質。
「もしも、お金や命などの条件がなかったとしたら何が欲しい? したい?」と問いかけたとき、「であれば…」と言って出てきた「欲しい」「したい」と思う欲求や欲望。理性の裏に隠れた本質。非合理の合理。それがインサイトの正体かなと思います。
ユーザーのインサイトを把握するには、まず自分のインサイトを把握し、言語化するくせをつけることが大事だと思います。「いま、自分はこう言ったけど、実際はこう思っていたんだな」など矛盾に気がつくようになると、ほかの人のインサイトにも気がつけるようになると思います。
Q クライアント視点/顧客視点で企画を見るには?
A まずは企画を選ぶクライアント担当者になりきってみましょう。
この企画は上司や役員からゴーサインが出そうか。株主が見たときに納得してくれそうか。何かひとつでもイマイチな反応が想像できたら、その企画は微妙かもしれません。そこまでOKだったら、次は一般ユーザーになりきりましょう。この企画が世の中に出たときに自分だったらSNSでどんな反応をするか。そこまで想像できたら、自然といい企画になると思います。
Q 企画にリアリティを持たせるにはどうすればいいですか。
A 一番の原因は「妄想不足」に尽きると思います。
仮にその企画が通ったとして、その企画を実現し、成果を出すまでの工程としてどんなことがあるか。誰にどんなことを依頼しないといけないのか。クライアントも含め、みんなが苦労して実現した施策に対して、ユーザーはどんな反応をしそうか。リアリティがない、と言われているとしたら、どこかで無理が起こっているか、工程の一部が抜け落ちている可能性が高いと思います。まずはとにかく想像してみましょう。
Q 「ブランドらしさ」のある企画にするにはどうすればいいですか。
A ヒアリングなどで情報収集を。
ブランドらしさは、社長や商品担当、開発担当、広報担当者などからヒアリングすることで、把握できるはずです。仮に、具体的に言語化やビジュアル化されていなかったとしても、その断片は掴める。直接ヒアリングできない場合は、過去のインタビュー記事などを片っ端から集めた上で、情報を精査することで代替します。