【第1回】〈異世界の人々〉の力を借りる

「商品を正しく使ってほしい」という積年の思い

広告主として、クリエイターとどのように協力していけば、期待以上の成果が得られるのか—。自分たちだけで広告なり、キャンペーンなりを作るわけではない私たちにとって、これは永遠の課題ではないだろうか。

この連載では、2020年の「販促会議 企画コンペティション(販促コンペ)」でグランプリをいただいた「キャッツアイセイケース」を基に、「殻を破って、一つ突き抜けた結果を得るために」必要なことを、当時の状況やエピソードを振り返りながら、連載としてまとめてみたいと思う。そこまでには、いくつものターニングポイントがあった。できるだけ普遍的なメソッドにできるよう努めつつ、この連載を読む方々にも参考になればうれしい。

「第12回販促会議 企画コンペティション」でグランプリを受賞した企画「キャッツアイセイケース」の試作品。本コラムでは、この企画のその後についてもお知らせしていきたい

さて、読者の皆さんのお勤め先では、消費者向けの啓発活動をしておられるだろうか。私も担当しているのだが、この連載のタイトルにもした〈企画の殻〉が非常に強固になりがちなのが、啓発活動だと思う。

一般に、商品は正しく使ってもらってこそ、真価を発揮するものだ。万が一、使用に際して害を被る方が出ると、業界全体の価値が下がってしまう。たとえばお酒なら飲みすぎや飲酒運転、携帯電話なら「歩きスマホ」……。化粧品でも、食品でも、電子機器でも、クルマでも、正しく扱ってこそ、である。

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川部篤史、都留由佳梨(アイセイ)
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