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コラム

クライアントとして、企画の殻を破る方法

【第4回】企画選び、方向性で見るか? 個々の内容で見るか?

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【前回】「全員が納得して優れた企画を選び出す、そんな方法を必死に考えた」はこちら

これまでのあらすじ

前回は、クリエイターから販促コンペを通じて応募・提案された企画について、社内のメンバー全員が納得の上で選び出す方法について述べた。今回はその後編という位置づけで、具体的に数をしぼっていくことについてお伝えしたい。

先に、販促コンペにおける各賞の決定までをご紹介しておくと、
(1)私たちが受け取った企画を検討し、「協賛企業賞」を決める
(2)審査員による一次〜三次審査、そして最終審査会にてグランプリ以下主要3賞を決める
という2つの流れがある。それぞれの流れは独立しており、(1)に審査員の方々が、逆に(2)に我々協賛企業が意見をさしはさむことはない。前回と今回、お話しするのは、(1)についてである。

(1)では、「協賛企業賞」を決めていく前に応募者から企画についてのプレゼンテーションを受ける機会がある。そこでまずは、プレゼンを受ける案を5本程度に絞ることになる。その5案を選び出すにあたり、我々には二通りの考え方があった。

どのように選び出していったのか、その最後の様子を紹介したい。

頂上決戦までの道

集まった企画をざっと読んでみると、似通った案が多いことに気付いた。そこで企画をグルーピングしてみると、ざっくり10種ほどの方向性に分けることができた。しかも全提案の6割以上は、いずれかの方向性に当てはまった。

粗より時点で、大まかに10の方向性に分類。残りの4割は個別に評価した

ここで、企画の選び方には2通りのやり方が考えられた。

方向性同士で検討し、残った方向性内で企画書の優劣を検討する方法。検討回数を減らせる一方、ほかの方向性に含まれていた優れた企画書を最初の段階で落としてしまう

一つは、大きく分けた10の方向性から、候補の方向性を一つに絞り込んでしまって、その中で上位案のプレゼンテーションを受け、各案の違いをくっきりとあぶり出して、詳細に比較検討しようというもの。

各方向性内で企画書を選別してから、方向性同士で検討するやり方。それぞれで優れた企画書を残せるものの、その分検討回数がかさむ

もう一つは、方向性ごとにまず企画書を評価・検討し、各々の方向性の代表による頂上決戦で選び出すというもの。方向性ごとに一つを選ぶのは、提案書の情報のみとなってしまい、うまく書面に表せていない原石などは取りこぼしてしまうかもしれないが、最終プレゼンはバラエティに富んだ、面白さあふれるものにはなるだろう。

選定方法をどちらにするか、メンバーの意見は割れた。「スマホアプリを用いて、カラーコンタクトレンズの利用記録に応じて云々」といった、企画書の本数が多い方向性もあり、「最初の段階で、方向性ごとに企画書を評価するのは慎重になったほうがいいのではないか」という声もあった。

だが、独創性やインサイトに優れた案は、それぞれの方向性に散らばっていた。そこで最終的には2つめの、方向性ごとに上位案を選んでから頂上決戦、という方法を採用することにした。

次ページ 「リアリティの補完」へ続く