実際にさわったことのない人は、「データ分析」と聞くと、スマートな印象を受けるかもしれません。しかし、取り組んでみると、アナログな手作業に追われ、大変さを感じることもしばしばです。たとえば、分析の下準備だけで思いのほか時間がかかってしまったり。このコラムは、「データ分析」に取り組み始めた方、これから始める方が、そうした落とし穴にハマらないよう、最も普及したデータ分析ツールのひとつと言える「Excel」の使い方はもちろん、データ分析の意義や勘どころを全4回にわたって、レクチャーしていきます。
日々の売上データや、顧客データの管理って、なぜ必要なんでしょうか?
AdverTimes.の読者の方には、データ分析は当たり前の業務で、「自社にとって〈なぜ〉必要なのか」は、考えるまでもないことかもしれません。しかし、あえてその理由、意義を考えてみるところから、この連載をスタートしたいと思います。データ分析にとって、大切な第一歩だからです。
たとえば次のような理由が思い浮かびます。
「顧客の動きを
いち早く把握し、
それに基づいて、
すばやく、かつ正しいビジネス判断を下す
ため」。
もしかすると、みなさんの周りには、「そんなことにいちいちデータ分析などいるか! 長年培った勘と経験、そして度胸で動くのが一番早い!」という方もいるかもしれません。
しかし、奇しくも、新型コロナウイルス感染症の拡大で、好むと好まざるとにかかわらず、私たちの生活の仕方や働き方は以前とは異なる部分が出てきました。もちろん、顧客も同様です。彼ら、彼女らがどのように活動しているか、これまでの勘と経験で判断するのは危険かもしれません。なにより、勘や個人的な経験は、どこまで通用し、どこから通用しないのか、という判断がしづらく、他人との共有も困難です。
つまり、人々の行動をデータ分析によってすばやく、冷静に議論可能な形でとらえ、仕事に生かしていくことの大切さが、コロナ禍のいまこそ、改めて浮き彫りになっていると言えます。