私大文系学生が左右する? AIリテラシー教育の行方

本記事では、宣伝会議「編集・ライター養成講座」大阪教室29期修了生の高濱悠紀さんの卒業制作を紹介します。

「文系の大学は、数学に苦手意識を持った学生が多く、私の担当する授業『人工知能概論』では、あえて数式を使わずに教えています」。こう話すのは、大阪経済大学情報社会学部でAIリテラシー教育の設計をしている中村健二教授。

機械学習や人工知能に関する技術の発展とともに、AIが発達すると仕事がなくなる、多くの人がAIによって仕事が奪われる時代が来るなど、雇用に関する影響についての議論が取りざたされることが多いが、「AIは道具なんです。私たちの身の回りにはすでにたくさんのAIがあって、生活を助けてくれています。その道具について知り、どのように使って今ある社会課題を解決していくのか学生たちに考えさせることが、結果的にAIリテラシーの養成につながります」と中村教授は話す。

政府は2019年6月に「AI戦略 2019」を発表し、初等、中等、高等教育、社会人すべての世代でAI人材を育成していく方向性を示した。すべての大学、高専の年間卒業生約50万人が、初級レベルの数理、データサイエンス、AIを習得することを目標のひとつに掲げている。また、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」となるこれらの知識・技能、新たな社会の在り方や製品・サービスをデザインするために必要な基礎力など、持続可能な社会の創り手として必要な力を全ての国民が育み、社会のあらゆる分野で人材が活躍することを目指し、2025年の実現を念頭に今後の教育について目標を設定している。

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