*本記事は11月1日発売の『広報会議』12月号掲載の「SDGs未来会議プロジェクト」との連動記事です。
メディアが変えた次世代の“当たり前”
──ryuchellさんがSDGsを知ったきっかけはなんでしたか。
NHKの『高校講座 家庭総合』のMCをさせていただくことになり、はじめて今の高校生が授業でSDGsを勉強していることを知りました。SDGsの項目には僕自身そもそもすごく興味はあったんです。僕の高校時代にはSDGsをはじめ、生き方の多様性について学校で習うことはありませんでした。本当にここ数年で変化したんだな、という衝撃がありましたね。専門家や家庭総合の先生などとコミュニケーションを取りながら、より理解も興味も深まっていきました。
今の家庭総合の授業って、料理や裁縫の時間は5分の2ぐらいなんです。多様性や今からどう生きていくか、どういう時代になっていくかっていうことを考える時間。これからの時代、そういう知識や経験を学生のころから触れてきた人が活躍して、新しい考えが広がっていくのはすごくいい流れだなと思っています。社会が変わっているのに授業では全く取り入れないことも多いと思うんですけれども、家庭総合は本当に進んでいて、MCをしながら楽しかったですね。
──次世代へのアプローチ、特に教育の強化は非常に重要ですよね。実際ご自身の高校生の頃と比べて考え方は変わってきているように感じますか?
ジェンダーについてのSDGs目標もありますが、今の若い子の方が違和感を覚えないですよね。やっぱりメディアの影響が大きいと感じます。多様な生き方をしてる人っていうのは、僕もでしたが割と色物扱いされてしまったり、バラエティ番組ではオチや面白い芸人の方っていう枠だったと思うんです。だけど、最近は全くウケを狙わなくてもインフルエンサーとして、若い子の中でも当たり前に浸透してる。僕は世代によって区別するのは好きではないですが、単純に思考が固まっていないので様々な意見が入ってきやすいんだろうなとは思います。「別にこの人が幸せなら」「この人にとってこれが愛だったらいいんじゃない」と、いい意味で人に関心がない。人にそこまで強要しない、という考え方に変化しているのは感じました。
