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サッポロと日清が共同輸送へ 社員教育の人材交流から発案

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サッポロホールディングス傘下のサッポログループ物流と日清食品は3月2日、静岡〜大阪間でビールと即席麺の共同輸送を始める。トラックの使用台数やCO2排出量の削減につなげる。両社がそれぞれ実施していたサプライチェーン管理の社内人材教育から生まれたアイデア。

製品の質量の違いを逆手に取り、荷室の利用効率を高める

ビールだると即席麺の質量の違いを生かす。トラックの最大積載量までビールだるを積んでもトラックの荷室に空間が余る一方、即席麺は荷室を埋めても積載量に余裕が出ていた。両社の製品の種類や数量を調整した結果、実車率100%になる組み合わせを導き出したという。実車率は、トラックの走行距離のうち、実際に貨物を積んでいた距離の割合で、輸送効率を示す指標。

往路では、サッポロの静岡工場(静岡・焼津)でビールだるを積んだ後、日清食品静岡工場(同)で即席麺を積んで大阪のそれぞれの物流センターへ輸送する。サッポロは大阪市、日清は摂津市。復路でもビールの空き容器や日清の空きパレットを混載して静岡へ戻る。

週に2便運行することで、1年間に排出するCO2約10トンを削減できる見込み。トラックの使用台数も約20%減らせるという。

両社それぞれで設けていたサプライチェーンマネジメントの社内教育制度で、受講生同士の交流があった。混載案は、各社の受講生のアイデアを生かしたもの。

国土交通省は、物流を支える幹線輸送(都道府県をまたいだ県間流動で輸送距離300キロメートル以上の貨物輸送)を維持するには、現在の貨物量と同じ場合で2025年にドライバーが2.7万人不足する見通しを示している。推計では、貨物量が減少したとしても1.2万人不足する。経済を支える物流体制の再構築が急務となっている。