あの企画はどうやって生まれたのか?販促コンペ初代グランプリ受賞者特別インタビュー

2010年に開催した「第1回 販促会議 企画コンペティション」(販促コンペ)でグランプリを受賞した日本コカ・コーラ(CCJC)「シークレット・メッセージ」。今なお色褪せないこの企画は、どのような背景から考えられたのだろうか。受賞者である電通プロモーションプラス 菊池雄也氏に話しを伺った。
※本記事は、2022年4月30日発売の『販促会議』2022年6月号の転載記事です。

電通プロモーションプラス
クリエイティブディレクター 菊池 雄也氏

コピーライティングに軸足を置きながら、CMプランナー、プロモーションプランニング、デジタルキャンペーン、イベント企画、UXデザインなど、枠にとらわれないクリエーティブワークを実践。「新しい意味づくり」が最近のテーマ。実は八丈島出身の海人。

─応募のきっかけについて教えてください。

当時はコピーライターとなって5年目の頃だと思います。ポストプロダクションに出向いて修正待ちをしていたとき、たまたま置いてあった月刊『販促会議』を開きました。

「販促コンペ」が初開催されるという記事に目が留まり、ちょうどそのとき一緒にスタジオにいた森くん(共同企画者の森康成氏)と頭の体操の一環として、修正ができ上るまでに何か考えようと、取り組んだのがきっかけです。

─アイデアはすぐに浮びましたか。

選んだコカ・コーラの当時の課題は「ティーンのコカ・コーラ飲用者・飲用頻度の拡大につながるプロモーション提案」というものでした。その際、まず考えたのは「コカ・コーラを贈り物にできないか」ということです。自分で飲むだけなら1本ですが、友人にプレゼントするなら2~3本は買ってくれるのではないかと思いました。それを取っ掛かりとして考えていくと、コカ・コーラのボトル側面に黒いペンでメッセージを書けば飲み干さないと読めないのでは?というアイデアが出てきました。

早速コカ・コーラを買いに行き、ペンで書いてみると狙い通り。秘密のメッセージを書いて、飲み終わったら文字が出てくるというコンセプトが決まりました。その場ですぐ企画書の大まかな骨子を作り、後日詳細を詰めていきました。実際に何人かの友人にサプライズで実行し、驚きと笑顔を見て、このアイデアが成功すると確信しました。

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