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コラム

コピー年鑑と私

絶対にそれは、ある。(文・田中泰延)

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東京を中心に日本全国で活躍するコピーライターやCMプランナーの団体である東京コピーライターズクラブ(TCC)。「TCC賞」応募作品の中から、コピーの最高峰を選ぶ広告賞「TCC賞」の入賞作品と優秀作品を収めた『コピー年鑑』は1963年に創刊、2022年度で60冊目を迎えます。各年鑑はその時々の時代性を広告という側面から反映した貴重なものとなっており、特に、コピーに関してはバイブル的存在として受け入れられています。
そんな『コピー年鑑』をテーマに、本コラムではTCC会員であるコピーライターやプランナーが執筆。第10回目は、著書『読みたいことを、書けばいい。』がベストセラーとなった田中泰延さんです。

あなたは、コピーライターだ。
もしくは、コピーライターになりたい。
そうでなくても、
あなたは、キャッチコピーというか、宣伝文句というか
そういうものを考えなければならない立場になったとしよう。

あなたは考える。
こんな言い方はどうだろう。こんなワードはどうだろう。
こんな切り口はどうだろう。こんなアプローチはどうだろう。
きっと誰も考え付いてないだろう。きっと新しいだろう。

だがしかし、過去のコピー年鑑をみてごらん。ざっと30年分でいい。
絶対にそれは、あるのである。
すでに誰かが、やっているのである。もう誰かが、書いているのである。

「巨人の肩に乗る」という言葉がある。
先人が人生を費やして挑戦したこと、築き上げたことを学んで、
はじめて人は、その先を見渡せるのだ。

コピー年鑑をすべて読んでからコピーを書かないと
あなたの努力はたぶん、無駄になる。
そういう意味で、コピー年鑑は巨人の肉体のように、重い。

コピー年鑑は物理的にも重い。
40代半ばから痛風を患っている私は、
これが足の上に落ちてきたらどうしようと
そればかり考えるようになって、
最近はコピー年鑑を机の上で開き
1メートルぐらい離れてみるようにしている。

田中泰延 たなか・ひろのぶ
TCC2002年入会

1969年大阪生まれ。早稲田大学文学部卒。
1993年に電通入社、関西支社でコピーライター・CMプランナーとして勤務。
2016年に退職し、「青年失業家」を自称してライター活動に入る。
2019年初の著書『読みたいことを、書けばいい。』が16万部超のベストセラーとなる。
2020年、出版社「ひろのぶと株式会社」を設立し、現在、代表取締役社長。

※六本木「文喫」にて「ことバー Presented by TCC」が開催中です。
開催期間:2022年4月27日(水)~6月5日(日)
営業時間:9:00~20:00(L.O. 19:00)
観覧料:入場無料

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関連リンク
『コピー年鑑2021』東京コピーライターズクラブ (編集)