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BOVAの応募動画には固定概念を「打ちやぶる」ほどのサプライズを!

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発足から10周年を迎えたBOVA(Brain Online Video Award)。プロ・アマを問わず、クリエイターが応募したい企業課題へ自由に応募できる、ユニークなコンテストだ。今回は、第10回の課題を出題する企業側からクリエイターへ期待することについて、みんなのマーケットの鈴木寛乃氏、セブン-イレブン・ジャパンの福島一晃氏、アドビの里村明洋氏がディスカッションを行った。

 

「音とビジュアルの組み合わせで、情報量は全然違ってくる」

——自己紹介および「映像」にまつわるご自身のエピソードを聞かせてください。

鈴木:みんなのマーケットの鈴木です。ブランドマーケティングチームでテレビCMの制作や、オウンドメディア、SNSの運営などをしています。私は小さい頃からテレビっ子だったので、テレビCMもすごく好きでしたね。今は自分でCMの制作ができるので、とても楽しく仕事をしています。

福島:セブン-イレブン・ジャパンのマーケティング部の総括マネジャー 福島です。仕事の内容は非常に多岐にわたっていて、テレビCMやオウンドメディア、店頭の販促物、アプリ販促、データマネタイズなど、多くの部署を統括しています。今、一番力を感じているのがテレビとWebですね。この両者の力をうまく使うことがとても大事だな、と思っています。

里村:アドビの里村と申します。私の役割は、日本におけるマーケティング全体の統括です。実は小学生の頃から、人気のテレビ番組の動画コンテストに応募しているような子どもでした。アドビが今後広げていきたいエリアも、過去の自分のような人たちです。一部のクリエイターだけではなく、多くの方々に創作活動を楽しんでいただきたい。私たちはそのサポートをしたいと思っています。

福島:小学生から動画をつくられていたということは、もしかしたら日本で最初のYouTuberになっていたかもしれないですよね?

里村:そうですね。小学生から続けていたら、元祖YouTuberになっていたかもしれません(笑) でも、当時はこれほど動画が主流になるとは、思いもよらなかったですね。

福島:確かにそうですね。動画が伝わりやすいのは、仕事でも同じだと思うんです。セブン-イレブンでは週に一度、大きな会議があるんですが、ここ最近では、静止画に代わって動画を頻繁に使うようになったんですね。例えば、店主さんとのコラボ商品の場合、こだわりのある店主さんの思いを全て会議で流して見てもらう。それをさらに、TwitterやYouTubeを通して、お客さまにも見ていただくんですね。そうしたやり方に切り替えたところ、エンゲージメント率がものすごく高まりました。

里村:やはり今は、動画の影響力が圧倒的ですよね。音とビジュアルを組み合わせると、視聴者に伝わる情報量が全然違いますから。

「最初の6秒」に全神経を集中させる

——社内でのマーケティング施策においても、動画の果たす役割は日々変化していると思います。その点についてはどのように感じていますか?

鈴木:前回、「BOVA」に協賛させていただいたことがきっかけで、YouTube広告で1分以上の長尺動画を配信するようになったんですね。すると、訴求内容が伝わりやすくなったのか、クリック率がかなり向上したんです。クリエイターの方がきちんとストーリーをつくり込んでくれたおかげで、視聴者がより引き込まれた状態で当社を見てくれるようになったのを感じますね。

福島:セブン-イレブンでは最近、特に若い方を中心に来店者数が大幅に減ってきていることが課題です。今までは「いい商品さえつくれば、来店いただける」と考えていましたが、現在はより積極的なプロモーションが必要な状況です。そこで、当社から配信している動画も、お客さまの関心を引く「最初の6秒」に全神経を集中させています。そこでしっかりとつかんでから、SNSとホームページでより詳しい情報を補完していますね。

里村:アドビでは今、ブランドとして「心がおどるような」デジタル体験を広げていこうとしています。その感覚を実際に体験してもらうためにも、やはり動画は欠かせないもの。弊社のプロダクトは価格が安くはないこともあって、お客さまの心をしっかりとつかんでから買っていただく必要があります。そういう意味でも、動画にはエンゲージメントを高める力があると感じますね。

「型破りなアイデア」は社内からは出てこない

——これまでのクリエイターとの取り組みで、特に印象に残っていることを教えてください。

福島:色々な広告会社の方々とお話しをしながら感じたのは、皆さん「セブン-イレブンってこういうもの」という思い込みを持たれているな、ということですね。

私たちにとっての「いいクリエイター」とは、いち消費者目線で「こんなにもいい商品があるのに、良さが伝わってませんよ」という点を提案いただける方。今回、BOVAに参加したのも、そうした既存の仕事の枠組みからは絶対に出てこないアイデアがあるはずだと考えたからです。

鈴木:私たちは、話題性を狙ってガレッジセールのゴリさんが演じるキャラクター「ゴリエちゃん」を起用したのですが、クリエイティブのテンションにはすごく迷いました。ふざけすぎても会社のイメージが伝わらないし、ゴリエちゃんの存在だけにフォーカスされてしまうのではないかという懸念もあって。ただ、内輪ですら盛り上がらない内容は視聴者にも伝わらないもの。だから、自分たちが監督から聞いて爆笑したものをクリエイティブに採用することにしました(笑)。

笑い以外でも、世の中の課題をついたハッとするようなメッセージなど、自分たちでは気付けない訴求ポイントを提示していただけるといいなと思っています。

里村:たしかに、私たちがクリエイターさんに望むのは、サプライズだったり型にはまらないアイデアだったりするんですよね。つまりは、「今あるパーセプションをどう壊すか?」という点が重要だと思います。アドビが開発したPDFファイルも、「文書や画像を固めるもの」というパーセプションが非常に強力だからこそ、「他にこんな使い方があったの!?」という驚きがそれを壊すんだと思うんです。

ただ、福島さんがおっしゃるとおり、そういったアイデアは社内からはなかなか出てこないもの。だからこそ、BOVAに応募してくださるクリエイターの皆さまには、ぜひ固定観念を「うちやぶる」ほどのサプライズをつくっていただくことを期待しています。

鼎談のムービーはBOVA公式サイトでご覧いただけます。