情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学びたい人たちのために、主に学部レベルの教育を2年間にわたって行う教育組織である、東京大学大学院情報学環教育部。月刊『宣伝会議』編集長の谷口優が同部で講義を担当していることから、受講する学生の皆さんと編集コンテンツの企画から制作までを実地でチャレンジ。
今回は、新卒で鉄道会社に入社、車掌としての乗務経験を持つ、同部で学ぶ福井桃子さんが、自身の課題感をもとに20代の大学生、大学院生を集めた座談会を実施。「車掌による車内放送のアナウンスですら、イヤホンのノイズキャンセリング機能でシャットアウトしてしまう若年層がいる…」という事実をもとに、Z世代の情報収集行動の実態に迫ります!
※本記事の執筆は、東京大学大学院情報学環教育部研究生の福井桃子が担当しました。
今回は、新卒で鉄道会社に入社、車掌としての乗務経験を持つ、同部で学ぶ福井桃子さんが、自身の課題感をもとに20代の大学生、大学院生を集めた座談会を実施。「車掌による車内放送のアナウンスですら、イヤホンのノイズキャンセリング機能でシャットアウトしてしまう若年層がいる…」という事実をもとに、Z世代の情報収集行動の実態に迫ります!
※本記事の執筆は、東京大学大学院情報学環教育部研究生の福井桃子が担当しました。
マスメディア離れと同様に公共アナウンスもスルーされている!?
――私はメディアやコミュニケーションに興味を持ち、東京大学大学院情報学環教育部で学んでいますが、そんな私でもマスメディアの一方的な情報発信には懐疑的です。しかし、講義の中でマスメディアを批判していた私が、「電車内の車掌のアナウンスもシャットアウトされていた」という事実を知り、巨大ブーメランを受けた気分と言うか…。マスメディア離れと同様のことが公共の場のアナウンスにも起きているのではないかとの仮説を持ちました。
確かに車掌のアナウンスは、乗客という不特定多数の受け手へ重要な情報を伝えるマスコミュニケーションとも言えます。昨今、10~20代のマスメディア離れが深刻化していると言われますが、情報収集手段の多様化により、マスへ向けた情報発信という形態自体が、彼らのアテンション獲得を難しくしているのではないか。鉄道の車内放送も例外ではないのだなと感じた次第です。
そこで今回は、マスメディアとの接触が減ったと指摘される20代でありながら、東京大学大学院情報学環教育部にて、情報、メディア、コミュニケーション、ジャーナリズムについて学んでいる4名の教育部研究生と、車内放送、そしてマスメディアの今後の在るべき姿について話したいと思って座談会を企画しました。