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『ジョジョ』『ムー』とのコラボでピンチをチャンスに変えた『地球の歩き方』

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顧客、販売チャネルの拡大。メディア露出の増加など、あらゆる効果が期待できるコラボレーション。コロナ禍で売上9割減という大打撃を受けた『地球の歩き方』。そのピンチを救った大ヒットコラボの企画から販売に至るまでを取材した。

地球の歩き方
出版編集室
池田祐子氏

 

地球の歩き方
出版編集室
由良暁世氏

 

本記事は販促会議2023年3月号からの転載記事です。
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読者のコアな年代層に注目 親和性の高い層にリーチ

──それぞれ、誰に向けた商品としてつくられたのでしょうか。

池田:『ムー』とのコラボ企画が立ち上がった一番の理由は、お互いの読者の親和性が高いと感じていたからです。実は『地球の歩き方』も『ムー』も1979年創刊なので、読者の年代は同じなんです。

学生時代にバックパッカーをやっていたとか、グラハム・ハンコック著『神々の指紋』を読んでいたような年代で、「好奇心旺盛で不思議なものに興味がある」という点で共通していました。そういった世代が大人になった今、改めて『ムー』や『地球の歩き方』に触れてもらい、ノスタルジーを感じてもらおうという狙いがありました。このようなターゲットの戦略に関しては、『ムー』編集部へコラボ企画を持っていく際に、かなりつくり込んで提案しました。

由良:『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』の場合は『地球の歩き方』と『ジョジョ』、双方のコアなファンをターゲットにしました。コロナ禍で旅に行けなくても『ジョジョ』を通して旅気分を味わい、少しでも明るい気持ちになっていただきたい、という気持ちが強かったからです。

誌面デザインは『地球の歩き方』のセルフパロディのようになっていて、コアな読者であればそれとわかるデザインにしています。内容は『ジョジョ』に登場するスポットを網羅し、ファンならニヤリとするような要素を随所にちりばめています。『地球の歩き方』の強みは圧倒的な情報量と網羅性なので、細かい情報をたっぷり入れることで所有欲を掻き立てる一冊に。ファンの皆さまに納得していただけるよう、遊び心も加えながら丁寧につくりました。

左から 地球の歩き方JOJOジョジョの奇妙な冒険(©荒木飛呂彦 & LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社)、地球の歩き方ムー~異世界(パラレルワールド)の歩き方~超古代文明 オーパーツ 聖地 UFO UMA。

 

Twitterを中心に情報が拡散 投稿にも読みたくなる工夫を

──認知拡大のためにどのようなことをしましたか。

池田:発信には有料広告をほぼ利用せず、Twitterを活用しました。発売の半年前から積極的に情報発信し、読者とのコミュニケーションを拡充。読者と一緒に本をつくるというのは『地球の歩き方』のスタイルでもあったので、コラボ本でも不思議な体験談を聞いたり、表紙案も人気投票で決めたりしました。その取り組みもあってか、事前予約の段階からかなりの数の予約を獲得できました。

発売後には、読者の方々が感想などを自発的に発信くださり、それを中心に情報が拡散。さらにそこからマスコミ各社が取り上げ、『地球の歩き方』や『ムー』を知らない方々にも認知が広がりました。

由良:『地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険』も同様に、主にTwitterで情報発信をしました。7月発売に向け、4月1日に情報解禁をしたところ、「エイプリルフールのネタでは?」とファンの方を中心に世間がざわつきましたが、購入予約ページのURLを一緒にツイートすることで「これ本当なんだ!」と大きな盛り上がりをつくることができました。これが奏功し、予約の段階からAmazonの本の総合1位を獲得。告知ツイートには190万近いインプレッションがあり、どちらも『地球の歩き方』としては初の快挙でした。

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