「Zoom」などにも対応
ペプシコはこのほど、スナック菓子「ドリトス」の咀嚼音を打ち消すソフトウエア「ドリトス・サイレント」を英国で公開した。ミレニアル〜Z世代がメインターゲット。昨年スペインで実施した企画を拡大した。
パソコンにつないだマイクで他人と話しながら「ドリトス」を食べても、その音が相手には聞こえないようになる。約6カ月かけて5000種類以上の咀嚼音を分析し、専用の技術を開発した。対象はWindows PCのみ。
利用場面は、オンラインゲームで別のプレイヤーと会話するときや、ゲームプレイの様子を実況するストリーミング配信時など。ペプシコが事前に調査した結果、イギリスではゲーマーの46%が他人の食べる音を嫌い、アメリカでは30%が「他人の咀嚼音がプレイの邪魔」「パフォーマンスに影響する」と答えたという。
マイクを使用するアプリケーションであれば音を消すことができ、ソフトを配布しているWebサイトによると、オンライン会議ツールの「Zoom」や「Google Meet」のほか、「Skype」や「Discord」などでも利用可能。
「『ドリトス』ファンと、ゲーム・コミュニティとのつながりは無視できない。『ドリトス・サイレント』は、ドリトスを選ぶゲーマーのためにイノベーションを起こし、ドリトスとゲーム双方の体験を向上させるために開発した」(ペプシコ グローバル・マーケティング・ヘッドのフェルナンド・カハネ氏)
調査会社ニューズーによると、特にZ世代(1990年代中盤から2000年代)は、81%が過去6カ月間にゲームで遊んと回答。平均週7時間20分をゲームに費やしているという。
ドリトスは同様のソフトを2022年11月にスペインで公開しており、ほかの国や地域への展開を検討していることを明らかにしていた。広告会社はTBWA\España。世界三大広告賞のひとつ「クリオ賞」の2023年ゲーミング部門で銅賞(ブロンズ)を獲得した。
編集部で検証
本当に「ドリトス」を食べる音が消えるのか、AdverTimes.編集部でも検証したところ、「Zoom」では実際に聞こえなくなった。用いたのは「ドリトス XXTRA Flamin’Hot 超激辛ナチョ・チーズ味」。
別のスナック菓子も用意し、試した結果は下記の表のとおり。主観による差を可能な限りでなくすために、1人が食べる音を男女3人で聞き取った。
検証に用いた機器は、パソコンが「HP ProBook 450 G5」、OSが「Windows 10 Pro」。ヘッドセットは、「ホリ ゲーミングヘッドセット スタンダード for PlayStation4 ブルー」。また、違いをはっきりさせるために、「Zoom」側のオーディオ設定のノイズ抑制を「低」にした。この設定やヘッドセットによっては、咀嚼音はあまり耳障りとならない場合もあった。
「ドリトス・サイレント」を使用する場合は、同ソフトを立ち上げた後、使用するマイクを選択し、消音(キャンセリング)をオンにする。その上で、「Zoom」のマイクで「Doritos Crunch Cancellation」を選ぶ。Windowsの設定側で入力デバイスとして「Doritos Crunch Cancellation」が認識されるかのチェックも必要。
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