高まるインバウンド需要に対応
新宿プリンスホテルは2月16日から順次、客室で拡張現実(AR)技術を用いた観光案内を導入する。訪日客需要への対応。23年12月時点 の新宿プリンスの利用客の8割は国外からの観光客で、22年度の稼働率はコロナ禍で行動制限があった21年度比で 150%。今年度も前年並みを維持している。ARの導入は12月から進めるリニューアルの一環で、刷新を追い風に24年度はさらに稼働率の伸長を目指すほか、客室単価もコロナ流行前の2018年度比約1.5倍を目標に掲げる。
AR専用サイトにアクセスしたスマホを、客室の壁面に描かれた新宿の観光マップに近づけると、地図上に観光施設のアイコンが浮かび上がる。アイコンをタッチすると、対応する観光施設の画像や見どころなどの情報を確認できるほか、「Googleマップ」と連動して経路を調べることも可能。対応する観光施設は花園神社、新宿中央公園、伊勢丹新宿店など約20カ所で、利用客のフィードバックを参考に今後も対応施設を増やす。
エンターテインメント性の高い最新技術の導入で話題化を図り、観光客を誘致する。新宿プリンスの近隣では23年4月、複合施設「東急歌舞伎町タワー」が開業するなど、盛り上がりもある。
専用サイトの開発と運営は店舗などのデザイン設計を手掛ける丹青社(東京都港区)。多言語に対応しており、日本語を含め6つの言語で利用できる。
リニューアル工事は、16~21階の226室で実施している。客室では収納スペースの拡充などレイアウトを変更するほか、団体客の利用増を想定して3人利用の客室数も増やす。エレベーターホールも改装し、フロアごとに異なる新宿の名所のデザインを施す予定。スマホでのセルフチェックインのほか、タオルなどのアメニティをスマホで注文できるサービスも導入する。
リニューアルを記念した宿泊プランも12月22日から販売開始。ホテル最上階のレストランで使える割引券などを用意する。期間は2024年2月16日から6月30日まで。
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