若年層の新規客獲得を図る
日本橋三越本店は1月17~22日に「食のなんじゃこりゃ~博覧会」を開催する。イートインやトークショーを通じて、一般的には周知されていない地域の食文化を楽しめるイベント。山形県や千葉県などから約20の企業が出店した。三越創業350周年を記念した企画で、イベントを通じて若年層の新規客を取り込む狙いがある。
地元でしか知られていない自社商品を東京で周知することを目的に、様々な企業が参加。これまで百貨店での出店経験がない企業も多い。じんだん、あんこ、黒豆あん、ごまあんの4種類を楽しむことができる「ろーんぐ山形団子」(マルシチ米穀)や、賞味期限10分の生プリン(山形プリン)などが注目を集めた。会場では食材にちなんだ被り物や装飾を身につけたスタッフが商品を紹介する様子も見られた。
来場者数や売り上げの目標は非公開だが、350周年を迎えた三越が新たな顧客層を獲得するため、タイトルにも若者の興味を引く工夫を凝らしたという。これまで百貨店を利用したことがない人々にも、今回のイベントを通じて来店してもらう狙い。大串哲也マネージャーは「日本の食文化はまだまだ知られていないことが多い」とし、「地域ごとの独自の製法や歴史、食べ方などを楽しんでほしい」と意気込みを語った。
自社の取り組みや商品を周知するだけでなく、将来の農業人口を増やすために参加した企業も。千葉県の農業法人「ベジフルファーム」(富里市)は、メタル調の社歌を流して育てた小松菜を販売。品質に変化はないものの、その斬新な取り組みが注目を集めている。若い世代に農業に関心を持ってもらう狙いで、今回のイベントでより広く周知したい考えだ。
イベント期間中は様々なゲストが商品の制作秘話などについて語るトークショーを実施。地域特産品開発などを手掛ける「お雑煮屋さん」の代表で、お雑煮研究家として知られる粕谷浩子氏や、和歌山県の紀州勝浦港で水揚げされた生マグロを販売する「木下水産物」の木下勝之社長などが参加する。
新型コロナによる行動制限がない今年は、イベントなど「コト」提案がより重要になるとみている。大串マネージャーは「お客さまの目的に合わせた提案活動を強化したい」と話した。
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