家具・家電、ホームファッション製品の製造・販売・流通を行うニトリは、同社のECサイトにて他社製品を販売する「ニトリマーケットプレイス」を開始する。ニトリは2月6日に、自社ECに他社が出品できる仕組み「マーケットプレイス モデル」のSaaSソリューションを提供するMiraklと共にECでの成長戦略を加速させると発表していた。
ニトリグループのEC事業は2004年に開始。コロナ禍の影響もあり、2022年度には売上が885億(2008年度比44倍)。EC化率は11.9%(2008年度比14倍)に達し、成長を続けている。
2月21日に実施されたMiraklの事業戦略発表会に登壇した、ニトリホールディングス 常務執⾏役員 最⾼情報責任者(CIO)武井直氏によると、同社はグループとして「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する」というロマンを掲げ、「住まい」の範囲を超えた「暮らし」の総合マーケットを目指している。そのロマン実現のために、中長期経営計画として策定されているのが「2032年、3,000店舗3兆円」というビジョン。今回のマーケットプレイスの展開もその一環で行われる。
ニトリのマーケットプレイス展開の目的は、“ホームファニシング専⾨店”から“暮らしの総合マーケット”へのビジネス変⾰。来店・買上客数の倍化、商材や取り扱うカテゴリーの拡大をKPIに、新たな事業の柱としてECを強化していく狙い。
拡大予定の商材は、ニトリが現行で取り扱いしていない「暮らし」に関わる商材全般。つまり、現在のニトリに不足している「暮らし」を⽀えるサービス商材を、マーケットプレイス活用によって補い、充実させることで、暮らし・住まいの豊かさを提供することを目指すという戦略だ。
ニトリの武井直氏は「本格的な始動は、2025年度内を予定している。マーケットプレイスによって、“住まい”としての品揃えから“暮らし”の品揃えへシフトしていく。お客さまの暮らしを豊かにするために、成長市場のECにおいても、ニトリグループの事業領域の拡大、顧客支持獲得をMiraklのマーケットプレイスで加速させる」と述べた。
一方、Mirakl代表取締役社長の佐藤恭平氏は「ニトリの戦略的なパートナーの1社として新しい価値提供やビジネス機会の創出に貢献したい」と話した。
Miraklは2005年にフランスで創業。日本法人の設立は2022年5月。事業会社が運営する自社のECサイトに第3者の販売者を招き、マーケットプレイスを構築・運営するという選択肢を提供するSaaS型ソリューションを展開している。
在庫を持つことなく他社製品を取り扱うことが可能。マーケットプレイスを提供した自社ECの運営企業には、他社製品の売上の一部が手数料として支払われる仕組みで運営される。
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