谷山雅計×木下龍也「僕の短歌の下地には『谷山イズム』みたいなものがあるんです」

コピーライターの谷山雅計さんの著書『広告コピーってこう書くんだ!読本〈増補新版〉』の刊行を記念して、歌人の木下龍也さんとのトークイベントが開催された。木下さんは、かつてコピーライターを目指していた時代があり、谷山さんが教える講座に通っていたことがある。歌人を目指したのも、谷山さんの一言がきっかけだったという。トークショーは、そんな十数年前のエピソードを振り返るところから始まった。
写真 店舗・商業施設 青山ブックセンター本店

イベントは、5月11日に青山ブックセンター本店にて行われた。

「君にコピーライターの推薦文は書けない」と言った理由

谷山

:まず、この2人の関係について少し説明しますね。木下くんは昔、コピーライター養成講座の僕の専門クラスに来てくれていたんです。このクラスは、来る人間の半分は既にプロのコピーライターで、しかも選考課題をパスしないと受講できない。電通や博報堂などの会社にいて、クリエイティブに配属されているのに「さらに学びたい」という人がいっぱい来るクラスです。そこに、僕の記憶ではまだ20歳の木下くんが参加していたんです。

木下

:当時は…22、23歳だったと思います。

谷山

:そうだっけ?でも、木下くんの選考課題は他の人とは言葉の使い方や選び方が明らかに違っていて、見た時に「なんだ!?この人、すごいな!」と驚かされたのはよく覚えています。

コピーライターの場合、新卒でない限り、未経験者はなかなか採用してもらえないんですね。だから僕は「この人は未経験者だが、コピーライターになれる」と思う人には、クラス修了後に頼まれれば推薦文を書くようにしています。それでたしか、僕が大阪出張中に、木下くんから電話がかかってきたんですよ。「コピーライターになりたいので、推薦文を書いてもらえませんか?」と。その時に僕は「それは書けない」と言ったんです。

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