ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」から広告を考える

皆さんこんにちは。萩原幸也です。

前回のコラム

では、アートやデザインに触れるきっかけや入り口になり得ればと思い、「アート思考」と「デザイン思考」について非常に噛み砕いてご説明してきました。ただ大前提として、そんなに簡単に説明可能なものではないことを改めてお伝えしておきます(はい、言い訳です)。

さて、今回から広告におけるアート思考の実践について話をしていきます。広告におけるアートというと、「クリエイティブ」と呼ばれる、企画や演出、アートディレクションやクラフト部分の話かな?と思われると思います……しかし、今回言いたいことは、やや異なります。

まずそもそも、広告は基本的には「課題解決」を目指すデザイン的な営みです。その目的は、企業やビジネスの成長に他なりません。

グラフ その他 デザインとアートの目的の違い

デザインとアートの目的の違いを簡易的に整理した図。詳細は前回のコラムをご覧ください。

ただ今回私がお話したいのは、前回お話したアートの目的のひとつ、「自己表現」という部分に依拠して、「

広告主企業も、もっと自己表現を目指すべきでないか?

」ということです。

ヨーゼフ・ボイスの「社会彫刻」とは?

前回のコラムでは、アートの目的は「自己表現」であるとしました。(こちらにはさまざまなご意見をいただきました。社会的な活動を行なっているアーティストもたくさんいらっしゃいますから。実は、元々今回のコラムでそのあたりを補足していくつもりでした。言い訳です)。

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萩原 幸也
萩原 幸也

リクルート マーケティング室 クリエイティブディレクター/部長。山梨生まれ。2006年武蔵野美術大学 造形学部 デザイン情報学科卒業後、リクルート入社。リクルートグループのコーポレート、サービスのブランディング、マーケティングを担当。カンヌライオンズ グランプリなど国内外のアワード受賞。SNSでの総フォロワーは10万を超える。母校である武蔵野美術大学にて社会人への創造的思考育成プログラムの立案、講師も務める。
武蔵野美術大学大学校友会 会長/武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所 客員研究員/JAA 公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 クリエイティブ委員/県庁公認 山梨大使

萩原 幸也

リクルート マーケティング室 クリエイティブディレクター/部長。山梨生まれ。2006年武蔵野美術大学 造形学部 デザイン情報学科卒業後、リクルート入社。リクルートグループのコーポレート、サービスのブランディング、マーケティングを担当。カンヌライオンズ グランプリなど国内外のアワード受賞。SNSでの総フォロワーは10万を超える。母校である武蔵野美術大学にて社会人への創造的思考育成プログラムの立案、講師も務める。
武蔵野美術大学大学校友会 会長/武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所 客員研究員/JAA 公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 クリエイティブ委員/県庁公認 山梨大使

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