PwC Japanグループは10月15日、「グローバル エンタテイメント&メディア(E&M) アウトルック2024-28」の日本語版をリリースした。
今年で25年目となるPwCのグローバル エンタテイメント&メディア アウトルックは、世界のE&Mの消費者支出と広告支出の詳細な分析を提供するもの。アウトルックには、53の国と地域における13の業界セグメントに関する5年間の履歴データと5年間の予測データおよび解説が含まれている。13のセグメントは下記の通り。
<13の業界セグメント>
B to B、映画、インターネットコネクティビティ、インターネット広告、音楽・ラジオ・ポッドキャスト、新聞・一般雑誌・書籍、屋外(OOH)広告、オーバーザトップ(OTT)ビデオ、従来型テレビ、ビデオゲームおよびeスポーツ、バーチャルリアリティ(VR)およびオーグメンテッドリアリティ(AR)、データ消費、NFT
世界のE&M業界は右肩上がりで成長
同調査によると、世界のE&M業界は成長を続け、総収益は2023年に5%増加して2.8兆米ドルに到達。この成長率は、IMF(国際通貨基金)が発表した世界経済の成長率を上回る。今後さらに2028年に3.4兆米ドルに達し、年平均成長率(CAGR)は3.9%と予測される。
また、総広告収益は2026年に1兆米ドルに達する見込みで、2028年まで6.7%のCAGRで成長すると予想している。
例えば広告業界で最大かつ最も急速に成長している手法のひとつであるインターネット広告は、2028年まで9.5%のCAGRで成長し、総広告支出の77.1%を占める見込み。
ストリーミングサービスで広告が新たな収益元に
ストリーミングサービスの利用と加入者数は増えつつあるが、成長率は鈍化。OTTビデオのサブスクリプションあたりの世界の平均収益はほとんど変化せず、2023年の65.21米ドルから2028年には67.66米ドルと、微増にとどまると予想される。
この停滞により、主要なストリーミングサービス提供者はビジネスモデルを再構築し、サブスクリプション以外の収益源を模索。具体的には広告付きサブスクサービスの導入、パスワード共有の厳格な取り締まり、スポーツの生中継の導入による加入活性化、企業/サービスの統合契約(バンドル価格設定)などが挙げられる。