電通zeroのクリエーティブディレクター、コミュニケーションプランナーとして活躍する加我俊介さん。外資系コンサル会社を経てのクリエイティブ職という、いわゆる王道ではない経歴を歩んできました。自身をアイデアマンではないと語る加我さんは、いったいどのようにクリエイティブと向き合ってきたのか。
今回、新たに開講するクリエイティブディレクション講座の特別クラスで講師も務める加我さんに、左脳的なクリエイティブ手法について伺いました。
こんにちは、電通の加我俊介と申します。今は『クリエイティブディレクター』という肩書きで仕事をさせてもらっています。僕は元々、アーサー・アンダーセンという外資系コンサルティングファームの出身で、広告業界に転職した後も、営業・プロモーションプランナー・ストラテジックプランナーと、王道のクリエイティブとは異なるキャリアを歩んできました。
そのため、先輩クリエイターに師事したり有名クリエイターとご一緒させていただく機会がないまま、クリエイティブ畑の端っこで独自に育ったある種の亜種で、周りからも「仕事の進め方がちょっと違う」などとよく言われてきました。これまではその違いをあまり意識してこなかったのですが。ここ数年、取材や講演などで自分の仕事について振り返る機会を多くいただき、もしかしたらその“ちょっとした違い”が自分の武器になっているのかもしれないと思うようになりました。この短いコラムでは、そのスタイルの一端をご紹介させていただこうと思います。
最近の主な仕事
NTTドコモ/ahamo『怖くても進もう』 (24年8月~)
BE:FIRSTとahamoによるコラボ。広告のあるべき立ち位置を考えた時、広告をBE:FIRSTとファンのつながりを支援する装置にしたいと考えました。「怖くても進め」を「怖くても進もう」に。オーディション時に彼ら自身に向けられていた言葉を、今度は彼らからファンへ呼びかける言葉に変えて。彼らの挑戦に向けた心情の吐露を、広告を通じてファンに届ける仕掛けです。

