イベントを“成果物”ではなく、“プロセス”として捉える人にこそ刺さる一冊です。人を動かし、社会を変えたいすべてのプロデューサーへ。
中島康博さんの『エクスペリエンスプロデューサーが書いたイベントの教科書』は、今あらためて「エクスペリエンス=体験」の価値が問われる時代において、その本質と技術を体系的に整理した一冊です。
あらゆるコンテンツが溢れる今、ただ情報を届けるだけでは人は動かない。むしろ、コンテンツを通じて没入し、感情が揺さぶられ、結果として「態度が変わる」ような体験が求められている。本書はその「態度変容」を、プロットポイントによるストーリー設計や、現場のインタラクションによってどうデザインするかを具体的に描き切っています。
特に注目すべきは、「感動体験(=心を動かす体験)」を総合演出としてどう設計するか、そしてそれをどうプロジェクトマネジメントによって実装・推進していくかという、両輪の視点が一貫して示されている点です。イベントは“完成された作品”ではなく、“相互作用としての場”である。だからこそ、制御しきれない瞬間すらも織り込み、設計し、構造として捉える視座が必要になる。その思想と技術が本書には詰まっています。
加えて、プロデューサーとしての“成果責任”にも言及されている点も見逃せません。イベントの成果はしばしば評価が難しい領域ですが、本書では「計数管理」と「成果指標」によって、定量的に捉えるフレームが提示されています。イベント版ブランドリフト調査とも言えるアプローチは、まさに実務の中で格闘してきた著者ならではの視点です。
イベントが、ただの体験提供ではなく、ビジネスや社会の“変容”に寄与する機能を持ちうるならば——その価値を信じ、かたちにしていくための羅針盤として、本書は強く推奨できる一冊です。
『エクスペリエンスプロデューサーが書いたイベントの教科書 「体験」の「カタチ」をつくる、超実践的思考法』
(中島康博 著)
「感動体験(心を動かす体験)」の「総合演出家」であり、「感動体験施策(感動体験を提供する活動)」の「プロジェクトマネージャー」でもあるエクスペリエンスプロデューサー。この2つの視点を兼ね備えることで、従来のイベントにとどまらない体験や経験を来場者に提供することが可能になります。
イベント制作の各プロセスにおいて、エクスペリエンスプロデューサーがどのように考え、どのような技術を使って制作、進行しているのか。基礎、応用、実践と3つのパートで具体的に紹介します。
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