クライアント自身が想定していなかったような真の課題を発見し、その課題を解決するような企画が提示されたとき、クリエイターとクライアントの関係は大きく変わる。桜 クリエイティブディレクター・コピーライターの安田健一氏は、長崎県の「有明商事グループ」(現:ARIAKE&Co.)の企業ブランディングを引き受けた際、本来の依頼内容を超えて企業グループ名の刷新を提案。結果、テレビCMやWebサイトの制作まで担当した。クライアントが気付いていなかった課題をどのように可視化し、どのような理由で解決策を提示したのか。
依頼を超えた価値提案を実現するプレゼンのポイントについて聞いた。
依頼を超えた価値提案を実現するプレゼンのポイントについて聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』9月号の「クリエイター・マーケターに聞いた 私のプレゼンの極意」に掲載されています。
人の心を動かすプレゼンとは?
有明商事グループのお仕事は、もともとは企業ブランディング(ミッション・ビジョン・バリュー)の依頼から始まりました。しかし、社内でのヒアリングを進めていくと、別の課題が浮かび上がってきたのです。有明商事は、さまざまな事業を展開しているグループ企業なのですが、傘下企業の社名もバラバラの状況で、かつ類似した名前を持つ企業があるため差別化の必要を感じました。そこで、クライアントのニーズを満たすためには、まずコーポレートブランドの課題を解決する必要があると考えました。そこでグループ名を「有明商事グループ」から「ARIAKE&Co.」に刷新し、企業の差異化と一体感を醸成することを提案したのです。
WebサイトやテレビCMにも使用されているキービジュアル。「体力が必要そう」といった業界や企業のイメージを払拭した「カジュアルさ」を打ち出した。
つまりは企業グループ名の刷新は、私たちの自主プレゼンから始まった施策ということ。刷新したブランド名を訴求するテレビCMを制作することで、ターゲットとして想定される新卒学生や保護者の方、また行政などの担当者に「明るい方のARIAKE」「若い方のARIAKE」という印象が残るとプレゼンをしたのです。
…この続きは8月1日発売の月刊『宣伝会議』9月号 で読むことができます。

