イメージキャラクターはダウ90000 蓮見翔さんに聞く、言葉との向き合い方

8月1日から募集が始まった第63回「宣伝会議賞」のイメージキャラクターを務めるのは、8人組ユニット「ダウ90000」の皆さん。日常を切り取ったテンポの良い会話劇が魅力で、近年はCMやドラマなど、幅広いジャンルで活躍しています。今回、メンバーの皆さんにキービジュアル撮影の感想を、主宰で脚本・演出を手がける蓮見翔さんには「言葉との向き合い方」について伺いました。
 
※本記事は月刊『宣伝会議』9月号の転載記事です。

言葉で人を幸せにする方法が生まれる瞬間を目撃したい

━━蓮見さんにとって、「言葉」とはどんな存在ですか?日頃、演劇の脚本を書く中で、どのように言葉の力を感じていますか。

状況や感情に適した選び方をしていれば、言葉の力でなんでもできると思っています。一方で、言葉の力を過信しすぎると、本来伝えたいことが相手に正しく伝わらなくなり、結果的にコミュニケーションがすれ違ってしまうのではないかとも考えています。

また、自分の髪型が変わった時に似合う服が変わるように、その時々の自分に似合う言葉も変わると思っています。だからこそ、常に世の中の記憶に残るように羅列したいものです。

━━広告コピーは、限られた文字数で商品やサービスの魅力を伝えなければなりません。蓮見さんも限られた時間やセリフの中で伝えることに向き合っていると思いますが、“そぎ落とす”という観点ではどのようなことを考えていますか。

伝えたいもののパワーが半減してしまう削り方しか思いつかない場合には、多少長くてもそのまま世に出すようにしています。表現を削りつつ、伝わる量が増える減らし方もごく稀に思いつくことがあって、そこに、人それぞれの器用さみたいなものが出やすいと思います。

僕はまだまだそこの技術が足りていないので、これから磨いていかないといけない分野だと思っています。

━━「言葉で人を動かす」と聞いて、思い浮かぶ体験や印象的な出来事があれば教えてください。

僕たちの演劇公演は基本的にコメディなのですが、数カ所「誰かの人生が変わってしまえ」と思って入れているセリフがあります。そのセリフが刺さってる人を見ると、すごく嬉しいですね。「なんでかわかんないけど涙が出た」みたいな感想をもらうことが多々あるのですが、その人の中でまだ言葉になってなかったものをセリフとして届けられた時に、腑に落ちるような感覚、経験が涙につながっているような気がします。みんながまだ言語化できていなかった現象や空間を言葉にできた時に喜びを感じます。

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