カンヌ出品長編映画から米津玄師などのMVまで “映像”ごとの想いの届け方

大学在学時に製作した長編映画『僕はイエス様が嫌い』で第66回サンセバスチャン国際映画祭最優秀新人監督賞を受賞し、その後クリエイティブエージェンシーSIXの映画監督/CMディレクターとして米津玄師など数々のアーティストのミュージックビデオ(MV)やブランドムービーを手掛けてきた奥山大史さん。2024年には5年ぶりとなる長編映画『ぼくのお日さま』を製作し、第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されるなど話題になりました。2025年8月には同作品のBlu-ray&DVDが発売され、テアトル新宿でアンコール上演されるなど話題に事欠かさない奥山さんに、どのようにMV仕事や映画製作に携わるに至ったのかキャリアを伺いました。

━━2024年、監督・撮影・脚本・編集を務められた長編映画『ぼくのお日さま』が公開となり、第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品されるなど大きな話題を呼びました。制作の経緯を教えてください。

映画『ぼくのお日さま』を制作したのは、主人公を演じてくださった池松壮亮さんとの出会いがきっかけでした。2021年に私が監督を務めた、HERMÈS(エルメス)のドキュメンタリーシリーズ「HUMAN ODYSSEY -それは、創造を巡る旅。-」に出演いただいた際、「池松さんと映画を一緒に作りたい!」と直接オファーしました。通常は脚本ができてから演者にお声がけするのが一般的ですが、感想だけ聞いてみようと数ページのプロットを送りました。すると、その時点でオファーを快諾していただけて、想いが現実味を帯びていったんです。

総監督と務めたHERMÈS の映像作品『HUMAN ODYSSEY -それは、創造を巡る旅。-』

映画では、フィギュアスケートを通じて出会う少年少女の成長ストーリーを描いています。私は幼少期にフィギュアスケートを練習していて、いつかそれをテーマに映画を撮りたいと思っていたんです。物語は映画の主題歌でもある、夫婦デュオ・ハンバート ハンバートの楽曲『ぼくのお日さま』からインスピレーションを受けながら、膨らませていきました。出会えた「人」と自分の幼少期の「記憶」とお気に入りの「楽曲」、3つの要素が混じり合って、2022年ぐらいから制作が本格的に走り出し、2023年は撮影して編集して、という日々でした。

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