建築とITは意外と似ている
━━IT 業界に就職したきっかけを教えてください。
大学では建築を学びました。企画から設計、施工までのすべてのプロセスに魅力を感じていたため、大学院に進学し、夢中で勉強しました。
しかし、いざ就職活動をしてみると、建築業界にある「分業化」という現実を突きつけられました。ひとつの建物に一気通貫で関わることができない。特に、建築を学ぶ学生なら誰もが憧れる企画や設計に関わる仕事は狭き門で、新卒ですぐにできるものではないこともわかりました。あれもこれも全部やりたかった僕には、物足りなかったのです。
代わりに興味を持ったのがIT業界でした。建築とプロセスが似ていると感じたからです。例えば、Webサイトをつくるとき、建築物と同じように企画から始まり、設計して、制作・実装します。Adobeソフトを使うところも共通していますね。
さらに建築よりも、アイデア段階からお客さまに届けるところまで、ひとりが関われる範囲が広い。むしろ、この仕事の方が自分に合っているのかもしれないと思うようになりました。
三井住友カード
執行役員 マーケティング本部 共同本部長
伊藤亮佑 氏
大学院で建築を学んだのち、大手EC会社に入社。ポータルサイトのディレクターを務める。4年後に大手通信キャリアに転職し、マーケティングコミュニケーション本部でユーザー向けWebサイトのサービス企画に従事。2016年、三井住友銀行入社、リテールIT戦略部配属。2018年より三井住友カードを兼務。2024年マーケティング本部本部長補佐に就任。2025年4月より現職。
━━最初に入社した大手EC会社ではどんな仕事を?
200人ほどの同期のほとんどがEC部門の営業に配属されるなか、僕はポータルサイトのディレクターに任命されました。第2創業期だった当時、新たなコア事業の確立を目指す部門です。メディアやその広告を企画し、ビジネス化するチームに入り、入社1年目ながら、サービスの企画から運営まで任せてもらえる機会が度々ありました。希望通り、ひとりでなんでもできたのはラッキーだったなと思います。
