ふるさと納税「改悪」に自治体も懸念 「誰が決めたのそれ?」と憤るボビー・オロゴンの動画が話題

翻弄される自治体を代表し、泉佐野市が新コミュニケーションを展開

10月1日から「ふるさと納税」制度の改正により、利用特典としてポイント還元を受けられるポータルサイトを通じた寄付募集が禁止される。これまで、多くの自治体が民間のポータル事業者と連携して寄付を募ってきたが、サイトに支払う手数料の負担が問題視されていた。総務省は制度改正により手数料削減を図る狙いだが、サイト運営企業や自治体からは効果への疑念や、官民連携で推進してきたふるさと納税が停滞するリスクを懸念する声が上がっている。

こうした状況の中、大阪府泉佐野市はふるさと納税ポータルサイトでのポイント付与禁止を題材にしたショート動画を8月25日に公開した。動画にはタレントで投資家のボビー・オロゴン氏を起用している。

ポイント付与禁止を題材にしたショート動画3篇

総務省は2024年6月、ふるさと納税制度のルール見直しを発表。「寄附者に対してポイントなどを付与するポータルサイトを通じた寄附募集の禁止」などが盛り込まれた。

制度普及のため、情報拡散力のあるふるさと納税サイトを通して寄付を募る自治体は多い。サイト側は宣伝広告や寄付手続きの簡便化を行うほか、買い物に利用できるポイント還元などの特典で利用者増加につなげている。例えば、楽天グループが2015年に開設した「楽天ふるさと納税」では、通常のカード決済で1%(100円につき1ポイント)が付与され、「楽天カード」を利用すれば3%の「楽天ポイント」が還元される。

一方、集客を狙ったポータルサイト間でのポイント付与競争が過熱しており、自治体がサイトに支払う手数料の上昇にもつながっている。NTTデータ経営研究所によれば、ポータルサイト側は手数料として10%程度を提示することが多いという。これらの手数料や運営コストが重なり、寄付額に対して自治体に残る金額が少ない点が問題視されていた。

総務省は仲介サイトでのポイント付与を禁止することで、自治体が支払う手数料を削減できると判断し、今回の制度改正に踏み切った。この方針に対し、楽天グループはポイント付与禁止の無効を求めて提訴している。同社は「ポイントの原資は楽天が負担している」と説明し 、禁止しても手数料は下がらないと主張している。

泉佐野市成長戦略室ふるさと納税担当理事の塩見健氏は「自治体がポータル事業者に支払う手数料に、寄付に対するインセンティブ=ポイント付与の原資は含まれていないのが実情」と述べる。今回の制度改正について「自治体と民間ポータル事業者が官民連携で裾野を広げてきたふるさと納税が停滞しかねない」との懸念を示した。

次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ