ステークホルダーとのコミュニケーションに活用される統合報告書。財務情報と非財務情報を開示し、それらがどのように企業価値向上につながるかを明らかにする、任意の開示書類だ。
統合報告書で扱われることが多いトピックのひとつに、人的資本に関する情報がある。「人」という資本が企業価値向上にどのように資するかを説明することで、自社の持続的成長への戦略性や、投資対象としての魅力をステークホルダーに伝えることができる。
そうした中、三菱HCキャピタルは統合報告書で、人的資本に関して「成し遂げたいテーマ」を開示している。2024年版と2025年版を比較すると、図表が見やすくなったのみならず、エンゲージメントの「3要素」を際立たせることで、同社が重視するものが理解しやすくなった。
テーマごとにまとめることで比較しやすく
図表の点では、2024年版では「成し遂げたいテーマ」と「取り組み内容」、「指標および目標」を分けて記載していた。
項目ごとに図表が分かれていた
2025年版では、「成し遂げたいテーマ」ごとに図表を一本化。横比較がしやすくなった。
テーマごとに一本化した
3要素の存在を分かりやすく
テーマのうちのひとつである「MHCエンゲージメントの向上」について、2024年版では「MHCエンゲージメントを構成する3要素」である「自発性」「多様性」「職場環境」を文章のみで記載していた。
2024年版の文章の記載
これを、2025年版では箇条書きにしたうえで、「3要素」というアイコンを表示。要素が3つあることが分かりやすくなった。
また、「MHCエンゲージメントの維持・向上」の項目では、これらの要素の関係を示す図を新たに記載している。
3要素の関係図
なお、「価値創造ストーリー」自体についても章のはじめに図表を掲載することで、人的資本に関する取り組みがPER(株価収益率)に影響することを示した。
価値創造ストーリーの全体図






