「SDGsには、17もの課題がありますよね。とても複雑で、解決不可能の難題のように見えますけど、その本質は、人間全員が“自分以外の生命を大切にし、思いやりを持ち、行動する”というシンプルなことだと思います。」
数ヶ月前に、万博の仕事をしている最中に受けたあるインタビューで、僕はこんな話を答えたことを思い出した。
Think Public
対義語を考えてみると、想像が膨らむ。
・Think Private(私的に考える)
・Think Individual(個人的に考える)
・Think Personal(個人や自分中心に考える)
・Think Selfish(利己的に考える)
つまり、誰かのために考えよう。
まさに、今、社会に必要な考え方だと思った。
SDGsだけじゃない。
戦争だって、いじめだって、差別だって、経済格差だって。
自分の立場からしか見えない人が多い世の中だ。
この本の中には、数十年に渡り、世界中で、
少しでも誰かのために悩み、世界と社会を良くしようと戦った人たちの、
努力とクリエイティビティの軌跡が描かれている。
アイデアの勉強にもなるし、読み物としても読み応えがある。
ずっと、広告とアイデアを愛し、追いかけ、
プロボノの精神を日本に持ち込んだ杉山さんだからこそ書ける一冊だ。
企業のマーケティングと、世界を良くすること。
一見、遠いこの二つのチャレンジを、僕は両立ができると思っている。
日本の広告費は、いまだに伸び続け、7兆円を超えた。
これはもちろんブランドや商品のために組まれた予算だ。
でも同時にThink Publicの思想とアイデアをもてば
この世界をよくする予算にもなる。
そう考えると、この広告産業に少し希望が見えてくる。
全てのクリエイターに、企業の人に、広告会社の人に読んでほしい一冊です。

『THINK PUBLIC 世界のクリエイティブは公共の課題に答えを出す』
杉山恒太郎(著) 河尻亨一(編集協力)
定価:2200円(本体2000円+税)
ISBN 978-4-88335-628-7
小学館「ピッカピカの1年生」、サントリーローヤル「ランボー」などで国内外の広告賞を多数受賞し、世界最大級の広告祭・カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルの国際審査員を3度務めるなど、国内外で活躍するクリエイター 杉山恒太郎氏。
国内外のクリエイティブを熟知し、考察し続けている杉山氏による新刊『THINK PUBLIC 世界のクリエイティブは公共の課題に答えを出す』で取り上げる広告は、一般的に「公共広告」と呼ばれているものが多くあります。「公共広告」と聞くと、非営利団体や行政、国連関連組織によるキャンペーンを想像する方が多いかもしれません。しかし、本書では企業による公共サービス型の事例も織り交ぜながら、さらに一歩踏み込み、氏はこれからの広告のあるべき姿とし「THINK PUBLIC」を提言します。
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