人的資本開示 後継者育成や従業員エンゲージメントも増える HRガバナンス・リーダーズ調べ

HRガバナンス・リーダーズは、有価証券報告書における人的資本の開示内容に関する調査を実施し、結果を公表した。

有価証券報告書において開示が義務化されているダイバーシティ3指標(女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金差異)の実績値(平均値)は、3指標いずれにおいても年々増加していることなどが分かった。

実績値や開示状況など調査

同調査は、TOPIX100構成企業の有価証券報告書における記載内容を分析し、ダイバーシティ関連指標の実績値の状況、人的資本関連の戦略および具体的な取組みに関する開示状況、取組みの進捗を測る指標および目標の開示状況、人的資本の諸課題に対応するガバナンス体制等を分析するもの。調査対象企業の条件は以下の通りだ。

2023年:TOPIX構成企業(2023年6月末時点)のうち、2023年3月31日以降に終了する事業年度の有価証券報告書を提出した81社
2024年、2025年:TOPX100構成企業(各年6月末時点)である99社

男性の育休取得率が3年で大きく増加

「主な調査結果」としては以下を挙げる。

・有価証券報告書において開示が義務化されているダイバーシティ3指標の実績値(平均値)は、3指標すべてにおいて年々増加し、特に男性の育児休業取得率は3年間で10pt以上増加と伸び幅が大きい
・人的資本の戦略における具体的取組みの記載状況をみると、「ダイバーシティに関する取組み」が9割近くと最も多く、次いで「従業員エンゲージメントに関する取組み」、「全社向けの採用・育成等の取組み」が8割を超えている。また、「サクセッション・次世代リーダー向けの育成等の取組み」、「パーパス・ビジョン・経営戦略等の従業員への浸透に関する取組み」は、3年間での増加率がどちらも約8倍と大きく増加している
・人的資本の指標と目標の開示状況をみると、「従業員へのパーパス・ビジョン・経営戦略等の浸透に関する指標」、「ダイバーシティ関連の取組みに関する指標」、「人件費、人材投資額等に関する指標」が、3年間でそれぞれ約3倍、約2.0倍、約1.9倍と特に増加率が大きい
・人的資本の諸課題に対応するガバナンス体制の開示状況をみると、人的資本全般および特定のテーマの議論に特化した会議体を設置している企業、ならびにCHRO又はその機能を設置している企業は、いずれも年々増加している

ダイバーシティ2指標については、男性の育休取得率が3年間で10ポイント以上増加した。他方、女性管理職比率と男女間賃金差異は微増だった。

サクセッションやエンゲージメントも

人的資本については、戦略の開示状況を調査した。具体的には、人材戦略の考え方への言及や人材育成や社内環境整備に関する具体的取組みの記載状況だ。

職場環境整備に関連する「ダイバーシティに関する取組み」が9割近くと最も多く、次いで「従業員エンゲージメントに関する取組み」、人材育成に関連する「全社向けの採用・育成等の取組み」が8割を超えた。

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