「宣伝会議のこの本、どんな本」では、当社が刊行した書籍の内容と性格を感じていただけるよう、「はじめに」や識者による本の解説を掲載しています。今回は、10月17日に発売した『AIネイティブマーケティング 人、企業、AIの幸せな関係をつくる』(並河進著)の「はじめに」をご紹介します。
AIネイティブとは、「AIが当たり前になって、生活や社会のあらゆる面に広く浸透するようになった世代や個人のこと、またそうした文化や感性のこと」を指します。1990年代以降、パソコンやインターネットが大きく広がり、デジタルネイティブが誕生し、社会は大きく変化しました。今では、デジタルか、アナログか、を意識することなく、当たり前のようにデジタルデバイスを使っています。同じようにAIも、これから、あるいはすでに、生活や社会、ビジネスの中に、加速度的に入り込んでいます。
その中で、AIを使いこなすことに喜びを見出している人がいる一方、この新たな存在に不安を抱えている人、様子見をしている人もいると思います。一つ、確実に言えることは、AIは、この本を書いている2025年現在ですでに強大な力を持つ技術だということです。「未来、AIがここまで進化したらこうなる」という予測ではなく、いま現在ある技術ですでに破壊的なポテンシャルがあり、まだ人間はそれを数%も使いきれていない、という状況にあります。よりよい未来につなげることもできるし、SF小説で何度も描かれているディストピアになる可能性もあるでしょう。