1900年創業の日東社(兵庫県姫路市)は、長年親しまれてきた「日東社ブランドマッチ」の意匠を基に開発した新シリーズ「BLUE LABEL MATCH」を11月4日に発売した。ライターの普及や禁煙化により市場が100分の1に激減したマッチ業界。苦境を乗り越え、マッチの新たな価値を創造すべく“ニュースタンダード”に挑戦する。
同社の設立は1923年。設立100周年を迎えたことを契機に、マッチの事業の価値を見直すプロジェクトが社内で立ち上がった。その一環で生まれたのが「BLUE LABEL MATCH」。デザイナーのナガオカケンメイが設立したD&DEPARTMENTがデザインディレクションで関わる。
「BLUE LABEL MATCH」は、軸木までブルーに染め上げた単色のシンプルなデザインが現代のライフスタイルに馴染む。燕・桃など全7パターンを1箱500円(税別)でECサイトなどで販売する。
大丸印
原点の意匠を受け継ぎ、いまの暮らしに寄り添う姿として生まれた、シンプルなブルーとホワイトのラベル。かつて、広告用としてさまざまな頭薬の色の要望に応えていた技術を活かしたホワイトの頭薬。染色の技術を一から確立したブルー(藍色)に染められた軸木。頭薬づけから梱包まで一貫生産している日東社だからこそ、マッチのニュースタンダードとなる同シリーズを実現することができた。
2025年6月に出展した「インテリアライフスタイル展」では、多くの来場者が足を止めて注目を集めた。またSNS上では「可愛い」「使うのもったいない」といった声が相次ぎ、Xでは93万インプレッションを記録するほどの反響を呼んだ。こうした声を受けて、お香やキャンドルと並べて販売したいという要望や、これまで接点のなかったインテリアショップなどからの引き合いもあったという。
日東社ブランドブルーラベルの軸木は藍色に染めています。写真は染めた後に乾燥しているところ。
レトロ感出ていますか・・・? pic.twitter.com/NnbYTb8rso— 日東社 | 日本最大マッチメーカー (@nittosha) 2025年6月16日
商品企画担当の大西潤氏は「取引先から注文いただいたマッチをつくることだけを生業としてきた弊社は商品企画部などなく、マッチの価値を再定義するところから始めました。BLUE LABEL MATCHによって、マッチ業界だけでなく日東社にも新たな火が灯されました。これをきっかけに、今後も新たな火を興していきます」とコメントした。

関連記事








