AI時代の働き方設計 freeeが実践する「自社BPM改革」【後編】

freeeでは、AIを活用したビジネスプロセスマネジメント(BPM)を全社的に推進している。前編では、CTOの横路隆氏が、同社の顧客であるスモールビジネスにおけるBPMの進化について解説した。後編では、自社の組織づくりの実践をもとに、BPMの進化を探る。

分業と統合の往復で、プロセスを磨いてきた

freee自身が成長する中で、組織や開発プロセスも大きく変化してきた。横路氏は組織が30人規模に達した頃、分業化に踏み切った。

「多様なスモールビジネス向けに多様なプロダクトを作っていると、1つ1つの機能や、お客様の課題に向き合っていくのが徐々に難しくなってきた」と横路氏。そこでプロダクトごとにチームを分け、お客様の課題を深掘りする部門と、ソリューションを作りデリバリーする部門を分けるなど、機能ごとの分業化を進めた。

しかし、さらに組織が300〜500人規模に拡大すると、新たな問題が生じた。 分業が進むほどスピード感は出るものの、独立した機能をつないだ時に「顧客にとって本当に価値があるものを届けられているか」自信を持ちきれなくなったという。同じ顧客に価値を届けるチームがバラバラに動いては意味がない。そこで、もう一度“融合”する方向に舵を切った。

まずは機能が異なっていても、同一目標・同一会議体で動くマトリックス型組織を導入。職能別のレポートラインを保ちつつ、事業フェーズごとに最適なプロセスを設計ができるようにした。例えば、100億円規模の成熟事業と、1億円から10億円を目指す成長事業、0から1を生む新規事業では、求められるスピードも精度も異なる。そのため、事業フェーズに合わせたプロセスの“型”を設計することが重要になる。

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