生活者の意識・行動の変化が激しい時代。生活者の支持を得るブランドになるためには市場の動向に合わせてスピーディーな意思決定も必要です。こうした市場で顧客を増やし成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が企画され、また実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。
※本記事は月刊『宣伝会議』12月号の連載「急成長スタートアップ企業に聞く!『わが社のマーケティング戦略』」に掲載されています。
PIAZZA
設立年 2015年5月
従業員数 約20名
事業概要 まちづくりプラットフォームの開発・運営、エリアマネジメント事業、エリアプロモーション事業
地域コミュニティアプリ「ピアッザ」を運営するPIAZZA。「人々が支え合える街をつくる」をミッションに掲げ、デジタル上のサービスにとどまらず、首都圏を中心にコミュニティ施設を運営するなど、リアル・デジタルを横断した「まちづくりプラットフォーム」を展開する。
アプリ「ピアッザ」は無料で利用でき、まちに関する情報を投稿・閲覧できるほか、暮らしの疑問や悩みを地域の人に相談したり、不要品を譲り合ったりすることができる。
同社では、自治体との連携協定を締結しながら、「ピアッザ」の活用方法や地域住民への普及を模索し、段階的にサービスを広げてきた。9月時点で、76の自治体と連携し14都道府県112エリアで利用されている。アプリの開発・運営費は、後述する同社のエリアマネジメント事業やプロモーション事業での収益を充て、地域におけるコミュニティづくりを後押しする。
「地域住民の方は、一過性ではない、持続的に利用できるサービスを求めています。しかしサービスを一気に広げてしまうと、歪みが生じて長続きしないことも珍しくありません。そこで、当社では早期拡大を目指さずに、自治体の方の協力を得ながら、少しずつ対応エリアを広げていきました」と、PIAZZA 広報の倉本弥里氏は話す。
特に力を入れているのが地域住民に対するコミュニケーション。主なターゲットは子育て世代にあたる30~40代だ。人々が地域コミュニティに関心を寄せる機会はそう多くない。その貴重な機会を逃さずつかむべく、各自治体の広報誌やデジタル媒体などでこまめに「ピアッザ」の存在を伝えてきた。また、自治体の協力を得て幼稚園や保育所でのチラシ配布を実施するなど、生活動線にそったアプローチをしている。「自治体と連携したコミュニケーションは信頼性も高く、利用を検討する方にとって大きな安心材料になります。『ピアッザ』新規ユーザーの約8割は、広報誌をはじめとする自治体経由の情報をきっかけに利用を始めてくださっています」(倉本氏)。
地域コミュニティアプリ「ピアッザ」。9月現在、利用者は18万人を突破した。
…この続きは月刊『宣伝会議』12月号で読むことができます。

