初めてのテレビCM出稿、その背景・戦略は? バランス栄養食「COMP」

デジタルの世界で知名度を確立させたブランドがさらなる顧客との接点拡大を目指したり、従来は人的営業中心だった企業が、テレビCMの活用に踏み切る機会があります。初めて出稿する際に、どのような戦略を持って臨んだのか。今回は、佐野勇斗さんを起用したテレビCMを放映したCOMPに話を聞きます。
※本記事は月刊『宣伝会議』1月号の連載「初めてのテレビCM」に掲載されています。

仕事や家事に追われながら、毎日栄養バランスの良い食事をとるのは簡単なことではない。時間がない時もあれば、つくるのが面倒な時、食欲がわかない時もある。こうした食生活における栄養摂取の課題を解決するのが、必須栄養素を独自のバランスで配合した、バランス栄養食ブランド「COMP」だ。

2015年にブランドを立ち上げ、厚生労働省の基準や栄養学のエビデンスをもとに改良を重ね、18歳以上のすべての人に対応できる「オールターゲット型」の食品の開発を続けてきた。

「誠実に商品を磨き続けること」を重視し、SNS上で自然に広がる口コミと、商品力によって獲得した熱量の高いユーザーの支持によって成長。これまで派手な広告を活用したマーケティング施策とは無縁だった。スタートアップでありながら、IPOなどのイグジットを目的とせず、短期的な成果を追うよりも、ユーザーやプロダクトに向き合うことを優先してきたのもCOMP社の特徴だ。

「誰にでも合う」食品を目指してファン形成を図ってきた一方で、オールターゲット型であるがゆえに、コミュニケーションにおいては、ターゲットを絞って伝えるのが難しいという課題もあった。

ブランドの思想を守りながら、販路を広げるには、M&Aが理想的ではないか。そうした議論も社内で生まれ、2024年にUHA味覚糖の完全子会社になった。同社とは「COMPグミ」を共同開発しており協働を続けてきた縁があった。

販路を拡大する体制が整ったことを受け、より商品の認知度を高めるべく、2025年7月、初のテレビCM放映に踏み切った。

COMPは、SNSとの相性が良く、熱量の高い層に届きやすい特性のある商品だが、今回、オンライン施策の強化ではなくテレビCMを選んだ理由は何だったのか。

取締役社長の宮本善史氏は「SNSで見かけたものをテレビで再び目にする、あるいはテレビで見かけたものをSNSでも目にする。こうしたメディアを横断した『偶然の重なり』を設計することが、強いブランド体験になり、オールターゲット型の商品を広げる上で必要ではないかと考えました」と話す。

写真 CM カット 「朝、COMPでイイじゃん。」篇

「朝、COMPでイイじゃん。」篇。俳優の佐野勇斗さんが出演。

…この続きは月刊『宣伝会議』1月号で読むことができます。

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