広告とエンタメが融合するプロダクトプレイスメント最前線

映画やテレビドラマなどに商品を登場させるプロダクトプレイスメント。古くから用いられてきた手法だが、その制作環境や技術はどのように変化しているのか。活用が進む海外での動向と、日本における現状について、博報堂 メディア環境研究所の森永真弓氏に聞いた。

※本記事は月刊『宣伝会議』1月号の特集「広告のエンタメコンテンツ化 最新事例」に掲載されています。

韓国ドラマで盛り上がりを見せるプロダクトプレイスメント

日本国内では、映画やテレビ、ゲームなど、視聴者が関心を持つコンテンツの中に、商品やロゴなどを配置し、シーンの一部として溶け込ませるような広告手法を「プロダクトプレイスメント」と呼ぶことが多い。だが海外では「ブランデッドエンタテインメント」と呼ばれている。

ブランデッドエンタテインメントの中に、①企業が自社コンテンツを制作する手法(例;企業がブランディング目的でショートフィルムを制作し自社サイトで特別コンテンツとして公開)や、②エンタメ作品の中に自社の商品を露出させる手法があり、後者がいわゆる日本で言うプロダクトプレイスメントに当たる領域と捉えると分かりやすい。

このプロダクトプレイスメント領域が、いまもっとも盛んなのが「韓国のエンタテインメント」だと、メディア環境研究所の森永真弓氏は指摘する。

例えば、韓流ドラマを見ていると、登場する出演者たちのスマホが、なぜか同じメーカーのものだったりすることがある。企業が費用を投じて物語の中に商品を露出させていこうとすれば、当然ながら不自然な場面も出てくるが、韓国エンタメ界でのプロダクトプレイスメントは活況で、「ドラマ制作において主要な収入源になっている」と森永氏は言う。

では、なぜ韓国ではそうしたプロダクトプレイスメント文化が根付いているのか。

その要因は大きく2つある。ひとつは、番組の制作環境がプロダクトプレイスメントに向いているからだ。

「韓流ドラマの場合、脚本が公開の約2年前に完成し、その時点からストーリーに関連する商品を持つ企業に対してセールスを開始することができます」と森永氏。裏を返せば、広告主がプロダクトプレイスメントをいくら実施したいと思ったとしても、制作側にその受け入れ体制やスケジュールの余裕がなければ実現できないのだ。

もうひとつは、広告主が、従来のテレビCMの枠に効果を感じにくくなっていること。費用を投資するならドラマなどの作品の中に商品を登場させ親しみを醸成しようという判断が働いている。

「Netflix」をはじめとする動画配信サービスが浸透し、グローバルで長期に視聴者と接点が持てるようになったことも、こうした傾向を加速させている。翻って日本の現状はどうなっているのか。

図 海外でプロダクトプレイスメントが成熟している背景

…この続きは月刊『宣伝会議』1月号で読むことができます。

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