なぜユーザーはアプリを開かなくなるのか 「giftee for Business」が示す、継続率を高めるデジタルギフト戦略

アプリ市場の競争が激化している。インストール後に利用が定着しない、課金や購入につながらない。こうした課題に多くのアプリ事業者が直面している。

ギフティ(東京・品川)は5月14日、宣伝会議主催の「アプリ活用カンファレンス」の中で、講演「アプリを成長させるデジタルギフト活用術 インストールから継続・課金・ロイヤリティ施策まで」を実施した。新規獲得から継続、課金・購入、ロイヤリティ向上まで、アプリ成長の各段階でインセンティブをどう設計すべきかを解説した。

アプリ市場を象徴する2つの数字

登壇したのは、ギフティ 第三事業本部 Gift Distribution BusinessGrowth Unit2の中村正人氏。講演の冒頭で中村氏は、アプリ市場を象徴する数字として「15個」と「5.3時間」を提示した。前者は1ユーザーが1日に利用するアプリの個数、後者は1日のアプリ利用時間を指す。

冒頭で示したアプリ市場のハードル

生活者は日々、多くの時間をアプリに費やしているように見える。しかし、実際には利用するアプリや時間の枠は限られている。新しいアプリがその日常に入り込み、継続的に使われる存在になるハードルは高い。

こうした環境下で、アプリ事業者が直面する課題が「ユーザー獲得単価の上昇」「インストール後の離脱」「LTV向上の難しさ」だ。

ギフティ 第三事業本部 Gift Distribution BusinessGrowth Unit2 中村正人 氏

ユーザー獲得については、iOS ATT(App Tracking Transparency)施行以降、広告の精度が低下した。ATTは、アプリがユーザーの行動データを追跡する際に本人の許可を求める仕組み。追跡しにくくなったことで、広告配信の精度が下がり、同じ予算でもインストールにつながりにくくなった。結果として、1インストールあたりの獲得単価であるCPIは上昇傾向にあるという。

さらに、インストール後も大半のユーザーが1カ月以内に離脱する。良いサービスをつくり、広告で認知を広げるだけでは、アプリを開き続けてもらうことは難しい。中村氏は、「ユーザーがアプリを開く理由を継続的に提供し続ける必要がある」との問題意識を示した。

インセンティブは行動のきっかけ

インセンティブ活用の3つのフェーズ

アプリを開く理由を設計する手法として挙げられたのが、インセンティブの活用だ。講演では、インセンティブを値引きや還元ではなく、ユーザーに興味を持たせ、行動を起こしてもらうきっかけとして位置づけることを提案した。

活用フェーズは大きく3つに分けられる。1つ目は、未インストールのユーザーに向けた「獲得」だ。ダウンロード特典や初回会員登録特典により、利用開始時の心理的ハードルを下げる。

2つ目は、ライトユーザーに向けた「継続」である。連続ログイン、ミッション達成、アンケート回答などに特典を付与し、アプリを日常的に開く習慣をつくる。

3つ目は、ミドルユーザーやロイヤルユーザーに向けた「課金・購入」だ。課金特典、友人紹介、一定金額の購入などと組み合わせることで、LTV向上やファン化につなげる。

特徴的なのは、インセンティブを新規獲得だけの施策として捉えていない点だ。ユーザーを集める一時的なキャンペーンではなく、利用を習慣化し、継続を収益に転換するサイクルをつくる手段と捉えている。

自社ポイントとデジタルギフトの違い

講演では、「自社ポイント」と「デジタルギフト」の違いについても触れた。自社ポイントは、自社サービス内でのみ使えるポイントで、用途や利用先が限られる。一方、デジタルギフトには、共通ポイントやコンビニ、カフェなどで使えるギフトが含まれる。

ターゲットにも違いがある。自社ポイントは、すでにサービスを好きなユーザーに向きやすい。一方、デジタルギフトは、まだサービスを知らないユーザーやライトユーザーにも届きやすい。新規ユーザーの参加ハードルを下げるだけでなく、継続利用を支える習慣化施策としても活用できるという考え方だ。

アプリ成長では、獲得したユーザーにいかに使い続けてもらうかが重要になる。中村氏は、あるマンガアプリの継続率が30日目で7%まで落ちた例を紹介。その一方で、リテンションを5%改善するだけで、利益は25%から最大95%増加する調査結果もある※)とも説明した。

※出典:モバイルアプリトレンドレポート2025/Harvard Business Review 『Zero Defections: Quality Comes to Services』

ゲーミフィケーションで習慣化

インセンティブをより機能させる設計として、ゲームの仕組みを非ゲーム領域に応用し、行動継続を促す設計手法である「ゲーミフィケーション」との組み合わせを紹介した。

中村氏は、「ミッション」「進捗の可視化」「インセンティブ」の3要素が重要だと説明した。たとえば、毎日ログイン、動画視聴、いいね、友達紹介などをミッションとして設定する。さらに、「○日連続でログイン中」「進捗率○%」といった形で進捗を可視化し、達成直後にスマホ決済などの共通ポイントやデジタルギフトを付与する。

インセンティブの効果を高める「ゲーミフィケーション」

この設計により、ユーザーは特典を受け取るだけでなく、自分の行動の積み重ねを実感できる。達成感が次の行動を促し、結果としてアプリの継続利用につながるという考え方だ。

活用領域はエンタメに限らない。ヘルスケアでは歩数に応じたポイント付与により、毎日起動の習慣化や解約防止につなげる。マンガでは読了クエストでポイントを付与し、課金や定着を促す。飲食では店舗でのミニゲーム参加を通じて来店頻度を高める。銀行では給与振込やキャッシュレスサービスの利用にポイントを付与し、付帯サービスの利用を促す。

170ブランド以上のギフトを提供

講演後半では、ギフティの法人向けサービス「giftee for Business」も紹介された。「giftee for Business」は、企業・自治体向けにデジタルギフトとそれを配布するためのソリューションを提供するサービスである。法人が実施するキャンペーンでの活用をはじめ、関係構築・向上を目的として法人が顧客や取引先・従業員へ贈呈したり、自治体が住民向け施策として活用したりとその領域・用途は広い。

デジタルギフトのラインナップは170ブランド以上。コンビニ、自販機、量販店、カフェ、ファッション、子育て、レストラン、スイーツ、エンタメ、映画、レジャー、リラクゼーション、ポイントなど、多様な利用シーンに対応する。また、ギフト配布のためのソリューションとして、キャンペーンシステム、配布システム、ポイントシステム、API連携などを通じて、顧客、ユーザー、従業員、住民向けのギフト活用を支援する。これにより、デジタルギフトを活用した施策の効果をさらに高めることが可能だ。

さらに、ポイントの付与・管理からデジタルギフトとの交換までワンストップで実現可能なポイントプログラム基盤「giftee Point Base」も提供している。同基盤の導入により、導入企業は、従来発生していたギフト提供ブランドの開拓、ポイントシステム開発、交換サイト運用、請求対応といった開発・管理のコストや開発期間を抑えられるうえ、初回登録、連続ログイン、購入、友人紹介などのアクションに応じたポイント設定から、ポイントの管理、デジタルギフトとの交換までを完結することができると説明した。

アプリ市場では、インストール数の獲得だけでなく、その後の継続、課金、ロイヤリティ向上までを見据えた設計が欠かせない。ユーザーがアプリを開く理由をつくり、行動を習慣化し、収益につなげる。その一連のプロセスにおいて、デジタルギフトはアプリ成長を支える接点設計の手段になりつつある。

お問い合わせ

株式会社ギフティ

「giftee for Business」
  URL:https://giftee.biz/inquiry/

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