海外情勢の影響で、食品や日用品の値上げが続いている。そうした中、値上げの要因として「広告宣伝費」が疑われる事態がSNSで起きた。
6月頭にXで話題になったのは、スーパー大手トライアルホールディングス傘下の店舗で販売されている「ゆでうどん」をめぐる投稿だ。投稿では、陳列されたうどんの画像や、同社が3月から起用しているメジャーリーガー・山本由伸選手のポスター画像とともに、広告宣伝費が値上げの要因であるかのような推測が示された。
この投稿をきっかけに、SNS上ではさまざまな憶測が広がった。AdverTimes.がトライアルに事実関係を確認したところ、同社からは「山本由伸選手の広告起用を含む広告宣伝費が、当該商品の価格に影響している事実は一切ございません」との回答が寄せられた。
メガセンタートライアル福岡空港店の「みなさまのお墨付き」ブランドの販売コーナー
税込21円で販売の事実認める
SNS上で拡散された投稿では、トライアル店舗で販売されている「山口製麺 ゆでうどん 180g」とみられる商品の価格札が写されていた。投稿によると、同商品は過去に税込21円で販売されていたが、現在は税抜48円、税込51円になっているという。
投稿では、同社が西友子会社化などで注目を集める中、“不相応な買収”によって本来の低価格路線から外れつつあるのではないかという見方のほか、広告宣伝費を抑えて「1円でも安く売る」ことを優先すべきだったのではないかという意見が示された。
トライアル広報部の担当者は、同商品について「弊社店舗において販売している商品で間違いない」と回答。また、同商品を2023年1月時点で税込21円で販売していた事実も認めた。
価格改定の理由については、原材料費や物流費、人件費などの世界的な高騰を挙げる。担当者は「今回の低価格商品における価格見直しにおいても、これら外部コストの上昇分を適切に反映し、持続可能なサプライチェーンを維持するための適正化の一環として実施している」と説明した。
同社は決算資料でも、価格政策の見直しを進めていることを示している。2025年6月期決算資料では、2025年4~6月期から実施したプライシング戦略により、売上総利益率が前年同期比で+2.0ポイント改善したと説明。具体的には、顧客データを活用した「価格の適正化」や「エキサイティングプライス」の導入、価格訴求品と価値訴求品のバランスを重視するとしている。
トライアル側も、データ活用による価格の適正化や精緻化に継続して取り組んでいるとしたうえで、今回の価格改定は外部コストの上昇分を反映したものだと説明している。
