サントリーは6月8日、サントリーウイスキー「角瓶」のWebCM「親子の答え合わせ」篇(90秒)を公開した。6月1日からは、父親の印象的な言葉を扱う縦型動画「父の角言」篇も公式X、TikTokで順次公開している。6月21日の父の日に向けた施策で、「親子の答え合わせ」篇には俳優の染谷将太を起用した。
「親子の答え合わせ」篇では、父になった息子役として染谷将太を起用した。
30代子育て男性の需要開拓を狙う
サントリーの宣伝担当者は、ウイスキーにとって父の日を年末と並ぶ「最需要期」と位置づける。同社はこれまでも父の日にウイスキーを贈る、たしなむことを提案してきた。一方で、そうした文化が時代とともに薄れかけているのではないかという懸念があったという。
今回の施策でサントリーが最も届けたい相手は、「子育てに奮闘する30代の男性」だ。電通コミュニケーションクリエイターの徳光一蕗氏は、30代男性にとって角瓶はまだ「かつて父親が飲んでいたもの」という過去のイメージにとどまっていたと説明する。
そこでCMでは、父の日を「父に贈る日」だけでなく、「自分が父親側になったことを実感する日」として捉えた。チームで決めた言葉は「父になったらウイスキー」。父になった自分が、記憶の中の父と同じ年齢に近づいたとき、当時の父も悩み、迷っていたのではないかと気づく。この構造を「親子の答え合わせ」として表現した。
「親子の答え合わせ」篇では、父になった息子と、若いころの父の記憶が交差する。父はロックで、息子は角ハイボール。飲み方は違っても、角瓶を通じて親子の記憶が重なる構成だ。
“不器用な父”を、笑いではなく共感にする
全8本の「父の角言」は、整った名言ではなく、時間が経ってから意味が分かるような父の一言を1本あたり20~30秒程度にまとめた。例えば、ムービーでは「失敗したら『参ったな』とまず笑え」という言葉が紹介されている。サントリーは、父が角瓶を飲んでいる20〜40代男女300人に調査を実施。父親から言われた印象的な言葉を集めた。電通 コピーライターの岩田純平氏は、洗練された言葉よりも、息子や娘から見たリアルな父親像が感じられる言葉を重視したという。
ここで描かれる父親は、威厳のある理想像ではない。渋く、不器用で、言葉足らずでもある。ただし、それを笑いの対象にはしていない。電通 CMプランナーの佐藤一貴氏は、渋さや不器用さを描くこと自体が目的ではなく、かつての父親も発展途上だったと伝えることで、若い父親世代の背中を押したかったと説明する。
近年、中年男性像は揶揄や距離感の対象として扱われることもある。佐藤氏は、渋さや不器用さを描くこと自体が目的ではなく、かつての父親も発展途上だったと伝えることで、若い父親世代の背中を押したかったと説明する。今回の施策では、不器用な父の姿を、今の30代男性にも重なる存在として描いた。
徳光氏は、父の日には「不器用さや照れを含んだコミュニケーション」の中に“らしさ”があると話す。聞けない、言えない、でも何かを贈る。今回のムービーでは、その距離感を、父と子の記憶をたどる「親子の答え合わせ」として表現している。
スタッフリスト
企画制作
電通、東北新社
ECD
窪本心介
| CD | 嶋野裕介 |
| C | 岩田純平 |
| C+企画 | 佐藤一貴 |
| D | 森永円香 |
| I | 菅幸子 |
| コミュニケーションクリエイター | 徳光一蕗 |
| CPr | 鹿山日奈子 |
| Pr | 高木美歩、佐藤良祐 |
| PM | 田中美穂 |
| 演出 | 池田萌 |
| 撮影 | 穐山茂樹 |
| 照明 | 大堀治樹 |
| 美術 | 横井結湖 |
| シズル | 三井春樹 |
| 編集(オフライン) | 吉野一輝 |
| 編集(オンライン) | 辻陸平 |
| カラリスト | 平田藍 |
| 音楽 | 𠮷川太郎 |
| MIX | 太斉唯夫 |
| ST | 増井芳江 |
| HM | 光野ひとみ、志賀花火 |
| CRD | 下山大輔 |
| CAS | 山川勝康、切明畑力、中西駿介、佐藤魁星、山内雅子 |
| AE | 砂川啓之、谷本篤史、ボイド由佳里、林舜也、高瀬裕史、池田優季 |

