「代表だけ」「Jだけ」の層が数百万人 伊東も冨安も「うち」から旅立った、ワールドカップで「街の誇り」が埋める距離

日本サッカー協会(JFA)とJリーグは6月8日、FIFAワールドカップおよび2026/27シーズンのJリーグ開幕に向けた共同プロモーション「街の誇りを、世界へ。」を開始した。第1弾施策として、交通広告を28日(媒体により異なる)まで掲出。主な掲出先は東京(新宿駅・表参道駅)、大阪(新大阪駅・千里中央駅・万博記念公園駅)、神奈川(川崎駅・武蔵小杉駅)、浦和美園駅、鳥栖駅。また、テレビCMを全国で放映する。

今回の施策では、選手のアカデミー時代、Jリーグ時代、日本代表としての現在を1枚のビジュアルで表現。W杯で日本代表を応援する動きを、選手を育てたクラブや地域にも広げる考えだ。「©J.LEAGUE/ ©JFA」

交通広告では、鎌田大地選手や久保建英選手らのアカデミー時代、Jリーグ時代、日本代表としての現在を1枚のビジュアルで表現。W杯で日本代表を応援する動きを、選手を育てたクラブや地域にも広げる考えだ「©J.LEAGUE/ ©JFA」

『街の誇りを、世界へ。』Web CM。Jリーグ時代から選手を応援するサポーターの姿が描かれる

背景には、代表とJリーグのファン層が完全には重なっていない現状がある。JリーグとJFAが共同で実施した調査では、「Jリーグクラブのみ応援する層」と「日本代表のみ応援する層」が、それぞれ数百万人規模で存在することが分かっているという。

Jリーグ広報担当者は、今回の共同プロモーションについて、Jリーグと日本代表をつなぎ、相互送客の仕組みを構築することで、生活者とサッカー界の接点を最大化する取り組みだと説明する。普段は地元クラブを応援する人に日本代表も応援してもらい、W杯で代表に関心を持った人にはJリーグにも触れてもらう。今回の施策には、そうした狙いがある。

なぜ「うちの子」と呼ばれるのか

Jリーグは開幕以来、地域に根差したクラブづくりを重視してきた。リーグの理念には「日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進」があり、Jクラブにはホームタウンで地域社会と一体となったクラブづくり、社会貢献活動、スポーツの普及・振興に努めることが求められている。

こうした地域密着の取り組みは、選手と街の関係にも影響してきた。下部組織や地域活動、学校・街クラブとの接点を通じて、選手は「この街から出ていった選手」として見られる。Jクラブのファン・サポーターが、海外移籍した選手を「うちの子」と呼ぶ背景には、こうしたクラブと地域の関係がある。

現在の日本代表メンバーは海外クラブに所属する選手が大半だが、Jリーグ広報担当者によると、全員がJリーグを経験し、世界に通用する技術や精神を磨いた選手たちだという。「街の誇りを、世界へ。」というメッセージには、W杯のタイミングで、選手を育てた地域やクラブの思いを代表応援につなげる意図がある。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事