ヨーロッパが熱波に見舞われ、記録的な猛暑になる中、エアコンの需要が急激に高まり、日本のメーカーの製品の売り上げも伸びている。もともとエアコンの普及率が低いヨーロッパで40度を超えるような暑さとなっており、エアコンはもはや「必需品」となり、店舗でも争奪戦になっている。
ドイツ東部では、気温が41.7度に達し、同国の観測史上最高を更新。また、チェコでは40.9度、パリでは最高気温が40.6度(6月24日)など、連日、例のない酷暑になっている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、ヨーロッパの過去1週間の死者数について、熱波に関連する死者数が1300人超との推計を示した。
熱波を受けてヨーロッパで死者が大幅に増える背景には、エアコンの普及率の低さがある。住宅に設置されているエアコン普及率は、日本や米国の90%超に対し、欧州はわずか20%程度。熱波が発生することはあれど長期化することはまれで、必要性は低かったためだ。また、古い建築が多く、特に景観の保全地区などでは屋外に室外機を設置することが行政から認められていないケースもあるという。しかし、命の危機を感じる暑さとなり、エアコンを求める人たちが店に殺到する事態になっている。
こうした急激な需要の高まりは、日本のメーカーにも及んでいる。
三菱電機は、ヨーロッパでは主に業務用をメインに展開してきたが、今回の熱波で、フランス、スペイン、英国、ドイツを中心に、エアコンの販売数が好調に推移している。同社の担当者は「例年以上の高温が続いたことで冷房需要が高まり、販売につながった」とし、引き続き、欧州の気象状況や市場動向を注視していくという。
ダイキン工業は、ヨーロッパに出向している社員から「エアコンのとらえ方が “必需品” に変わった」と市場の変化について報告を受けたという。同社でも前年同時期に比べて、ヨーロッパエリアでの販売数が伸びているという。
海外メディアは、英エアコン会社の担当者の話として、エアコン需要が急増している実態を伝え、「過去5年間で住宅からの問い合わせは3倍以上に増えた。特に今回の熱波は突出している」と報じている。

