認知、信頼、顧客基盤、継続性、知的資産、組織健全性――。
それらは目に見えにくいものです。これまで曖昧に扱われてきたブランド価値をどのように可視化し、経営判断や企業価値向上につなげるのか。非財務価値の測定と活用について考えていきます。
見えない価値を可視化する「ブランド価値指標」
これまでブランド価値が企業価値の中で十分に評価・活用されてこなかった背景には、いくつかの理由があります。
「ブランド」という言葉は日常的に使われていますが、「この会社のブランド価値はいくらですか」と聞かれたとき、明確に答えられる企業は多くありません。売上や利益であれば財務数値として説明できます。しかし、ブランド、信頼、顧客との関係性、人材、企業文化といった価値は目に見えにくく、数値化や評価が難しいという特徴があります。
また、評価方法によって結果が変わりやすいことや、一度信頼を失うと回復に長い時間が必要になることも、ブランド価値を経営判断で扱いにくかった理由の一つです。
しかし、本来の企業価値とは、「現在どれだけ利益を生み出しているか」だけで決まるものではありません。将来にわたって選ばれ続け、価値を生み出し続ける力まで含めて評価されるものです。
リブランディングでは、ブランド価値を「認知」「信頼」「顧客基盤」「継続性」「知的資産」「組織健全性」という6つの視点から整理し、可視化します。「認知」は、市場でどれだけ存在を知られているかを示し、指名検索数やSNSフォロワー数、メディア掲載数などから把握できます。「信頼」は、お客様や取引先からどれだけ安心して選ばれているか、レビュー評価や口コミ、継続的な支持の状況などが指標になります。「顧客基盤」は、企業を支えるお客様との関係性です。顧客数や会員数、取引先数などから、その広がりを確認できます。「継続性」は、一時的ではなく長く選ばれ続ける力を指し、リピート率や平均利用年数、継続率などから判断できます。「知的資産」は、技術やノウハウ、商標、独自性など、他社には簡単に真似できない価値となり、特許や商標、独自技術の有無などが、その強みを示します。「組織健全性」は、社員が安心して働き、企業が継続的に価値を生み出せる組織であるかを表すもので、離職率や平均勤続年数、採用状況などが参考になります。
このようにブランド価値を構造化することで、これまで感覚的に捉えられていた「見えない価値」を、経営判断に活用できる企業資産として扱えるようになります。
