リアル「いいね」マシーン
渡辺英輝(ネイキッド・コミュニケーションズ)
フェースブックが巻き起こした革命のひとつが、ソーシャルグラフという概念を一般に定着させたことである。
ソーシャルグラフとは、人と物とコンテンツの相関関係を可視化すること。ご存知の通り「いいね」ボタンを押すことで可視化されるが、フェースブックはその機能を外部サイトと連動させることに成功した。フェースブックが次に向かう先は、ネットの外に「いいね」ボタンを設置し連動させることではないかと予想している。
2010年にイスラエルのコカ・コーラがティーン向けに実施したフェースブック連動型リアルイベント「コカ・コーラ ビレッジ」がある。参加者は個人のアカウント情報が入力されたRFIDタグが埋め込まれたブレスレットを会場で渡される。会場内のアトラクションには、ブレスレットに反応する「いいね!マシーン」が設置されており、参加者はそれを使ってフェースブックに自動投稿ができる。さらに、イベント会場内で撮影された写真はブレスレット情報と連動し、リアルタイムに公開される。この仕組みによって、参加者の一日はフェースブック上で行動履歴として公開され、魅力的な情報として流通された。
次世代のiPhoneにはRFIDリーダーが搭載される可能性があるらしい。フェースブックにはきっとリアル「いいね」マシーンとしての機能が追加するであろう。これが実現すると屋外広告などとの新たなフェースブック連動企画が展開できる。想像するだけで今からワクワクする。(「宣伝会議」2011年2月1日号から)
- [WEB MARKETER’S view]渡辺英輝の海外デジタルマーケティング最新動向(第3回)「ソーシャルCRMの時代へ」
- 海外デジタルマーケティング最新動向(第2回)「フェースブック上で獲得するファンの可能性」
- 海外デジタルマーケティング最新動向(第1回)「フェースブックで短期型施策を長期型へ」
(わたなべ・ひでき)
野村総合研究所、ビーコン コミュニケーションズを経て、2010年から現職。ロンドン生まれの次世代型プランニング・ブティックにて裸の付き合いの本質を研究中。
「WEB MARKETER’S view」バックナンバー
- 【オウンドメディアマーケティング(3)】「オウンドメディアやりたい」(2012/3/01)
- 【オウンドメディアマーケティング(2)】オウンドメディアに必要な「放送設備」(2012/2/23)
- 【オウンドメディアマーケティング(1)】「ソーシャルな時代のオウンドメディア」(2012/2/16)
- 佐藤圭太朗の「WEBメディアビジネス注目事例」(第4回)(2011/6/27)
- 得丸英俊の「デジタル時代に必要なスキルとは?」(第4回)(2011/6/20)
- 三科恵三の「WEBマーケティング 注目事例」(第2回)(2011/6/13)
- 小池政秀の「ターゲティングの進化」(第4回)(2011/6/06)
- 鈴木健の「いま、自社メディアをどう活用するか」(第4回)(2011/6/02)
新着CM
-
販売促進
ファンタジー好きに訴求するグミ カンロ、空想の果実をイメージした新商品
-
AD
宣伝会議
【広報部対象】旭化成のグローバル社内イベント成功事例を紹介
-
販売促進
横須賀市、メタバースで観光誘致 AIアバターの実証も開始
-
コラム
サムライマックのCMに「ありがとう」と言いたい(遠山大輔)【前編】
-
AD
マーケティング
なぜ今「POEプランニング」なのか? 強固なファンベースで持続可能な広告運用を
-
クリエイティブ (コラム)
アイデアが苦し紛れにくっつく瞬間がある――「KINCHO」ラジオCM制作の裏側
-
特集
はじめに/あとがき/解説でざっくりわかる 宣伝会議のこの本、どんな本?
-
販売促進
ベビー用品の速達デリバリー 日本トイザらス、30分以内におむつやミルクを配達
-
販売促進
「認知獲得」「販促」の両方使えるリテールメディア特性がメーカーの混乱を招く