コラム

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渡辺英輝の海外デジタルマーケティング最新動向(第3回)

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ソーシャルCRMの時代へ

渡辺英輝(ネイキッド・コミュニケーションズ)

ソーシャルCRMというキーワードが最近海外のマーケッターの間で注目されている。

ソーシャルCRMとは、今までのCRMの進化版として、ソーシャルメディアのプラットフォーム上で生活者との関係性を育んでいく戦略的概念。過去のCRMは、名簿や購買履歴等のデータベースを活用した一対一の「囲い込み型」施策であったが、その進化版であるソーシャルCRMは、ソーシャルメディア上で交わされる生活者間の会話をベースとした多対多の「共感型」施策だ。

生活者を魅了する面白くて派手な企画で話題を巻き起こすのがバズマーケティングだとすると、ソーシャルCRMはさらにその先の継続的な関係作りのところまでをカバーする。海外では自社制作のバズコンテンツからフェースブック上のファンページへ人を呼び込み、そこで獲得したファンとその後も継続的に会話を続けて関係値を深めていくという手法が増えている。

ソーシャルCRMを成功させるためには、従来の広告とCRM領域を分けて考えないという発想が必要。そのためには広告とCRMそれぞれの分野のスペシャリストを束ねたチーム作りで、全てをひとくくりに設計して実行することが求められる。

短期的なバズ施策と長期的なCRM施策を、フェースブック上でブリッジするソーシャルCRM戦略を実施にするにあたり、日本における最大の課題は継続的に生活者と会話を担当するコミュニティ・マネージャーをどのように育て、確保していくかだと思う。(「宣伝会議」2011年1月1日号から)

※毎月1回掲載(全4回)、次回は2011年2月1日掲載予定


(わたなべ・ひでき)
野村総合研究所、ビーコン コミュニケーションズを経て、2010年から現職。ロンドン生まれの次世代型プランニング・ブティックにて裸の付き合いの本質を研究中。

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