「うちエコ診断」体験座談会(1)はこちら
環境省「うちエコ診断」を受診したお母さんたちが診断後、感想を述べ合った。活発に交わされた意見から、これからの国のエネルギーのあり方が見えてくる。
少額投資で簡単にできる対策のバリエーションがもっとほしい
――診断を受けてみて「これはやってみよう」と具体的に思えるもの、モチベーションが上がる提案はありましたか。
馬場:土鍋以外には節水型シャワーヘッドですね。シャワーヘッドを取り替えて、1人1分シャワーの時間を短くするだけで、給湯のCO2排出量が23%も下がったのにはびっくりでした。
中山:我が家ではアンペアダウンを検討中なんですが、診断員さんに、電力使用量を量る機械があるって教えてもらいました。本当にダウンさせても大丈夫かどうかを実施前にチェックできるようなので、さっそく調べてみようと思っています。
それから、削減目標をすごく高くしちゃったんです。そうしたら太陽光発電とペアガラスを提案されました。太陽光発電を導入するとすごく効果が高いということが改めてわかりました。
中能:私も。太陽光発電を導入した場合のシミュレーションでは、エネルギー使用量のランキングが100位中59位から一気に6位まで上がりました。
井寺:太陽光発電といえば、トランジション藤野の藤野電力などで小型の太陽光発電を自分で組み立てるワークショップを開いていますよね。ああいう小さいものならマンションでも使えるので、やってみたいと思いますが、提案メニューに入っていないので残念です。
消費者は完ぺきな製品ばかりを求めているわけではなく、できること、身近なことからすぐにやってみたいものだと思います。大事なのは絶対安心の品質保証とかではなくて、どういう性質のものなのか管理は必要なのかなど、きちんと情報を開示してくれることではないでしょうか。
中島:最近はソーラー発電もいろいろあるので、私はポータブルタイプのソーラー発電機で充電池を充電して、それでアウトドア用のランタンを点灯させて夜のリビングの照明代わりにしようと検討中です。
中山:楽しそう!そういうちょっとした工夫っていいですよね。キャンドルナイトとかもやってみると楽しいし。日常でポピュラーになりつつある小さな取組みも対策メニューの中にあるとおもしろいと思います。
中能:高額投資が必要なものばかりだと「話を聞いただけ」になってしまうけど、取入れやすい安価なものは工夫次第で楽しみになるし、もっと生活に密着した具体的な提案が豊富にあるとやる気が出ますね。
課題は家族の協力とモチベーションの維持
――家庭で省エネに取組んでいくうえで、課題はどんなことでしょうか。
中島:やっぱり家族の協力が不可欠だと思うんですけど、我が家の場合は、頭ではわかっていても、暑ければエアコンの温度も下げちゃうし、電気も一向に消してくれないんです。みなさんの家はどうですか。
中山:温度に関しては、夫は暑がりなのでダメですね。家中全部LED照明に替えたのも、世田谷サービス公社の「せたがやソーラーさんさんプラン」の太陽光パネル設置を申し込んだのも夫なんですが、電気をこまめに消したり、エアコンの設定温度を調整するといったことは「せせこましくて嫌だ」とハッキリ言われました(笑)。
井寺:男の人が料理を作るとなると、使い切れないくらいの量の食材をゴッソリ買ってくるけど、女の人は5円でも安いもの、使い回しがきくものを買って作るでしょう。その差ですよね。だから省エネでもそれぞれの得意分野を活かして総合力で高めていければいいんですよね。
中能:奥さんが大雑把で旦那さんがきっちり、なんていう逆の家もあるしね。違うアプローチでもいいから同じ目標に向かって進めればいいですよね。
中島:診断を受けた後に、何人かで集まってこうやって話をする機会もあるといいと思います。1時間の診断って長いようで短くて、主要な削減ポイントについて話を聞くだけで精一杯なので、他の人と話して情報交換できると、自分が聞けなかった節電アクションもわかるので全体として効果がもっと上がるんじゃないでしょうか。
続きは『環境会議』2012年秋号(9月5日発売)でお読みいただけます。
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