アウトプットのカギは思考の振れ幅

こんにちは、宮澤です。さて、今回はリボン思考の最後のフェーズ、「アウトプット」について考えていきたいと思います。

ここでいう「アウトプット」とは、いわゆるアイデアを最終的ななんらかの形やアクションにすることを指していますが、商品やサービス、空間といった有形のものだけでなく、組織デザインなどの無形のものも含みます。このアウトプットのフェーズでポイントになるのは、様々な要素を「行き来して考えること」です。相反する視点の間をブランコのように行ったり来たりして考えることで、より魅力的なアウトプットを導き出すことができます。今回は、アウトプットを考える上で重要となる、ブランコのような3つの思考の“振れ”について考えていきたいと思います。

branco_図1

アウトプットは、コンセプトを目に見えるアクションや形にするフェーズ。

コンセプトとアウトプットを行き来する

最初のブランコは、コンセプトとアウトプットを行き来することです。

前回の「コンセプト」編では、よいコンセプトの条件として、共有力、期待力、起点力の“3K”を挙げました。この中で、アウトプットに特に関係するのは「起点力」です。よいコンセプトとは、それを聞いただけでアウトプットのアイデアが自然とどんどん膨らんでいくものです。

ただ、経験があまりない中で、いきなり優れたコンセプトを生み出すのは容易ではありません。そうした場合はまずアウトプットをつくってみてから、コンセプトに戻るという方法が有効です。アウトプットをつくってみなければ、元になるコンセプトのよしあしがわからないことも往々にしてあるので、いけそうだと思ったらまず形にしてみる、手を動かしてみる。それから、もう一度コンセプトに立ち返って検証する、そんな作業が役立ちます。

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宮澤 正憲(博報堂ブランドデザイン リーダー)
宮澤 正憲(博報堂ブランドデザイン リーダー)

1966年生まれ。東京大学文学部心理学科卒。博報堂に入社後、マーケティング局にて食品、自動車、トイレタリー、流通など多様な業種の企画立案業務に従事。2001年に米国ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院(MBA)卒業後、次世代型ブランドコンサルティングの専門組織である「博報堂ブランドデザイン」を立上げ、 ビジョン策定、企業戦略、新事業開発、CI、VI、商品開発、空間開発、組織開発、人事研修など多彩なブランドビジネス領域において実務コンサルテーションを行っている。

現在、東京大学教養学部にて、共創型教育プログラム「ブランドデザインスタジオ」を運営中。成蹊大学非常勤講師として「商品・企業ブランド戦略論」を開講。主な著書に、「『応援したくなる企業』の時代」(アスキー・メディアワークス)、「ブランドらしさのつくり方-五感ブランディングの実践」(共著、ダイヤモンド社)、「だから最強チームは『キャンプ』を使う」(共著、インプレスジャパン)、「ドンシュルツの統合マーケティング」(共訳、ダイヤモンド社)、「MBAは本当に役に立つのか」(共著、東洋経済新報社)など多数。

BranCo!公式HP http://www.h-branddesign.com/BranCo/

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宮澤 正憲(博報堂ブランドデザイン リーダー)

1966年生まれ。東京大学文学部心理学科卒。博報堂に入社後、マーケティング局にて食品、自動車、トイレタリー、流通など多様な業種の企画立案業務に従事。2001年に米国ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院(MBA)卒業後、次世代型ブランドコンサルティングの専門組織である「博報堂ブランドデザイン」を立上げ、 ビジョン策定、企業戦略、新事業開発、CI、VI、商品開発、空間開発、組織開発、人事研修など多彩なブランドビジネス領域において実務コンサルテーションを行っている。

現在、東京大学教養学部にて、共創型教育プログラム「ブランドデザインスタジオ」を運営中。成蹊大学非常勤講師として「商品・企業ブランド戦略論」を開講。主な著書に、「『応援したくなる企業』の時代」(アスキー・メディアワークス)、「ブランドらしさのつくり方-五感ブランディングの実践」(共著、ダイヤモンド社)、「だから最強チームは『キャンプ』を使う」(共著、インプレスジャパン)、「ドンシュルツの統合マーケティング」(共訳、ダイヤモンド社)、「MBAは本当に役に立つのか」(共著、東洋経済新報社)など多数。

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